【国試頻出】内分泌系ホルモン総まとめ|覚え方のコツと頻出問題解説(前編)
内分泌系とホルモンの学習は、看護学生の多くが「覚えることが多すぎる」「カタカナばかりで混乱する」と苦手意識を持つ分野です。しかし、国家試験では毎年必ず出題され、臨床でも患者さんの状態を理解するために欠かせない知識となります。
この記事では、内分泌系の基礎から国試頻出ホルモンTOP10まで、表とイラストを使ってわかりやすく解説します。前編・後編の2回シリーズで、内分泌系を完全攻略していきましょう!


内分泌系とホルモンの基礎知識
内分泌系とは何か?
内分泌系とは、ホルモンという化学物質を血液中に分泌し、体内の様々な機能を調節するシステムのことです。ホルモンは「体の中のメッセンジャー」として働き、離れた場所にある標的臓器に情報を伝えます。
内分泌系の最も重要な役割は、恒常性(ホメオスタシス)の維持です。体温、血糖値、血圧、水分バランスなど、私たちの体を一定の状態に保つために、ホルモンが24時間休むことなく働いています。


ホルモンの3つの特徴
- 極微量で効果を発揮:50mプール1杯の水にスプーン1杯程度の量で体全体に作用します
- 血液を通じて運ばれる:内分泌腺から分泌されたホルモンは血流に乗って標的臓器に到達します
- 特定の受容体に結合:ホルモンは標的臓器の受容体に結合して初めて効果を発揮します
全身の内分泌器官とホルモン一覧
主要な内分泌器官の位置と役割
人体には多くの内分泌器官が存在し、それぞれが特定のホルモンを分泌しています。以下の表で、主要な内分泌器官とそこから分泌されるホルモンを確認しましょう。

| 内分泌器官 | 分泌されるホルモン | 主な作用 |
|---|---|---|
| 視床下部 | 放出ホルモン、抑制ホルモン | 下垂体ホルモンの調節 |
| 下垂体前葉 | 成長ホルモン(GH)、プロラクチン、ACTH、TSH、LH、FSH | 成長促進、乳汁産生、他の内分泌腺の調節 |
| 下垂体後葉 | バソプレシン(ADH)、オキシトシン | 水分再吸収(尿量減少)、子宮収縮・射乳 |
| 甲状腺 | 甲状腺ホルモン(T3、T4)、カルシトニン | 代謝促進、血中カルシウム低下 |
| 副甲状腺 | パラソルモン(PTH) | 血中カルシウム上昇 |
| 副腎皮質 | コルチゾール、アルドステロン | 血糖上昇・抗炎症、ナトリウム再吸収 |
| 副腎髄質 | アドレナリン、ノルアドレナリン | 血圧上昇、心拍数増加、血糖上昇 |
| 膵臓(ランゲルハンス島) | インスリン(β細胞)、グルカゴン(α細胞) | 血糖低下、血糖上昇 |
| 性腺(卵巣) | エストロゲン、プロゲステロン | 第二次性徴、月経周期の調節 |
| 性腺(精巣) | テストステロン | 第二次性徴、精子形成、タンパク質合成促進 |

国試頻出ホルモンTOP10
絶対に覚えるべきホルモンはこれ!
看護師国家試験で特に出題頻度が高いホルモンをTOP10形式でまとめました。これらのホルモンは必ず押さえておきましょう!
| 順位 | ホルモン名 | 分泌部位 | 主な作用(国試重要ポイント) |
|---|---|---|---|
| 1 | インスリン | 膵臓β細胞 | 血糖値を下げる唯一のホルモン。糖を細胞に取り込ませる |
| 2 | グルカゴン | 膵臓α細胞 | 血糖値を上げる。肝臓でグリコーゲン分解・糖新生を促進 |
| 3 | バソプレシン (ADH) |
下垂体後葉 | 抗利尿ホルモン。腎臓で水の再吸収を促進し尿量を減少させる |
| 4 | 成長ホルモン (GH) |
下垂体前葉 | 成長促進、血糖値を上昇させる作用もあり |
| 5 | アルドステロン | 副腎皮質 | ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進。血圧上昇 |
| 6 | 甲状腺ホルモン (T3、T4) |
甲状腺 | 代謝を促進。体温上昇、心拍数増加、血糖上昇 |
| 7 | パラソルモン (PTH) |
副甲状腺 | 血中カルシウム濃度を上昇させる |
| 8 | コルチゾール | 副腎皮質 | 血糖上昇、抗炎症作用、ストレス対応 |
| 9 | アドレナリン | 副腎髄質 | 血圧上昇、心拍数増加、血糖上昇。ストレス反応 |
| 10 | オキシトシン | 下垂体後葉 | 子宮収縮、射乳(乳汁排出)作用 |

国試問題に挑戦!【第1問】
過去問で実践力をつけよう
それでは、実際の看護師国家試験の過去問に挑戦してみましょう。ホルモンとその作用の組み合わせを問う、典型的な問題です。
ホルモンとその作用の組合せで正しいのはどれか。
- 成長ホルモン ― 血糖値の上昇
- バソプレシン ― 尿量の増加
- コルチゾール ― 血中カリウム値の上昇
- アンジオテンシンⅡ ― 血管の拡張

【正解と解説】
正解:1. 成長ホルモン ― 血糖値の上昇
それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ◯ 正しい | 成長ホルモンは下垂体前葉から分泌され、身体の成長を促すとともに血糖値を上昇させる作用があります。脂肪を分解して遊離脂肪酸を作り、その遊離脂肪酸がインスリンの作用をブロックするため、結果的に血糖値が上がります。 |
| 2 | ✕ 誤り | バソプレシンは抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれ、腎臓の集合管で水の再吸収を促進します。つまり、尿量を減少させる作用があります。尿量を増加させるのではありません! |
| 3 | ✕ 誤り | コルチゾールは副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドで、血糖値の上昇や抗炎症作用があります。血中カリウム値を上昇させるのではなく、むしろカリウムの排泄を促進する方向に働きます。カリウム値に関係するのは「アルドステロン」です。 |
| 4 | ✕ 誤り | アンジオテンシンⅡは血管を収縮させて血圧を上昇させる作用があります。血管を拡張させるのではありません!また、副腎皮質からアルドステロンの分泌も促進します。 |

まとめ:前編で押さえるべきポイント
- 内分泌系はホルモンを血液中に分泌して体の機能を調節するシステム
- 主要な内分泌器官は、視床下部・下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎・膵臓・性腺
- 血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ、上げるホルモンは複数ある
- 国試頻出TOP10のホルモンは必ず覚える(特に作用と分泌部位)
- バソプレシン=抗利尿ホルモン=尿量を減少させる
- 成長ホルモンは成長促進だけでなく血糖値上昇作用もある
後編では臓器別の詳しい解説をお届け!
前編では内分泌系の全体像と国試頻出ホルモンTOP10を学びました。後編では、各臓器ごとのホルモンをさらに詳しく解説し、もう1問の国試問題にも挑戦します。覚え方のコツやゴロ合わせもたっぷり紹介しますので、お楽しみに!

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