【国家試験対策】血液ガス分析の読み方と判定方法|看護師が教える3ステップ解法
看護師国家試験において血液ガス分析は毎年出題される重要分野です。「数値の羅列で何がなんだかわからない」「酸塩基平衡の仕組みが理解できない」そんな悩みを抱える看護学生の皆さんに向けて、国試で確実に得点できる血液ガス分析の考え方を解説します。

国試で狙われる血液ガス分析の重要ポイント
国家試験の血液ガス分析問題には明確なパターンがあります。まずは国試で必ず押さえておくべき重要ポイントを確認しましょう。
国試で必須!血液ガス分析の基準値
項目 | 基準値 | 国試での重要度 |
---|---|---|
pH | 7.35〜7.45 | ★★★ |
PaCO₂ | 35〜45mmHg | ★★★ |
HCO₃⁻ | 22〜26mEq/L | ★★★ |
PaO₂ | 80〜100mmHg | ★★☆ |
SaO₂ | 95〜99% | ★★☆ |
BE | ±2mEq/L | ★☆☆ |


国試で確実に得点する「3ステップ解法」
国家試験の血液ガス分析問題は、決まった手順で解けば必ず正解にたどり着けます。僕が国試対策で教えている「3ステップ解法」をマスターしましょう。
国試必勝!血液ガス分析3ステップ解法
ステップ1:pHで酸血症・アルカリ血症を判定
pH<7.35 → 酸血症 pH>7.45 → アルカリ血症
ステップ2:PaCO₂とHCO₃⁻で原因を特定
呼吸性 or 代謝性かを判断 pHとの変化方向で判定
ステップ3:代償の有無を確認
身体が調整しようとしているかをチェック
ステップ1の詳細:pHで酸血症・アルカリ血症を判定
まずは最も重要なpHの読み方から理解しましょう。pHは血液の酸性・アルカリ性を示す指標で、国試では必ず最初にチェックすべき項目です。
pH判定の基本 | |
---|---|
pH < 7.35 | 酸血症(アシドーシス) 血液が酸性に傾いている状態 |
pH 7.35〜7.45 | 正常 酸塩基平衡が保たれている |
pH > 7.45 | アルカリ血症(アルカローシス) 血液がアルカリ性に傾いている状態 |

実際の国試問題で練習してみよう!
理論だけでなく、実際の国試レベルの問題で確認しましょう。以下は過去の国家試験に出題された血液ガス分析問題を参考にした練習問題です。
【練習問題1】国試レベル血液ガス分析
次の血液ガス分析結果から、最も適切な病態を選択せよ。
pH:7.30
PaCO₂:50mmHg
HCO₃⁻:24mEq/L
PaO₂:70mmHg
選択肢:
- 呼吸性アシドーシス
- 呼吸性アルカローシス
- 代謝性アシドーシス
- 代謝性アルカローシス
- 正常


【解答・解説】
正解:1. 呼吸性アシドーシス
3ステップ解法で解く:
ステップ1: pH 7.30 < 7.35 → 酸血症
ステップ2: PaCO₂ 50mmHg > 45mmHg(上昇)、pHと逆方向変化 → 呼吸性が原因
ステップ3: HCO₃⁻ 24mEq/L(正常範囲)→ 代償なし
COPDや肺炎などで肺でのCO₂排出が阻害され、血中CO₂が蓄積した状態です。
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血液ガス分析の考え方【国家試験対策】- パート2:呼吸性・代謝性の判定と代償機能
パート1では血液ガス分析の3ステップ解法とpHの判定方法を学びました。パート2では、より実践的な「呼吸性・代謝性の判定」と「代償機能の理解」について詳しく解説します。これらは国試で高頻度で出題される重要分野です。

ステップ2の詳細:PaCO₂とHCO₃⁻で呼吸性・代謝性を判定
パート1で学んだpHによる酸血症・アルカリ血症の判定の次は、その原因が「呼吸器由来」か「代謝由来」かを判定します。ここが国試で最も重要なポイントです。
呼吸性・代謝性判定の黄金ルール
病態 | pH | PaCO₂ | HCO₃⁻ | 判定のコツ |
---|---|---|---|---|
呼吸性アシドーシス | ↓ | ↑ | 正常〜↑ | CO₂が排出されない |
呼吸性アルカローシス | ↑ | ↓ | 正常〜↓ | CO₂を過剰排出 |
代謝性アシドーシス | ↓ | 正常〜↓ | ↓ | 重炭酸が減少 |
代謝性アルカローシス | ↑ | 正常〜↑ | ↑ | 重炭酸が増加 |
💡 国試必勝テクニック
呼吸性: pHとPaCO₂が逆方向に変化 代謝性: pHとHCO₃⁻が同方向に変化

代償機能の理解:呼吸器と腎臓の調整メカニズム
体は酸塩基平衡の異常を自動的に修正しようとします。この仕組みを「代償」と呼び、国試では代償の有無を問う問題が頻出します。
代償機能の基本原理
- 呼吸器による代償:換気量を調整してCO₂を増減(数分〜数時間で反応)
- 腎臓による代償:HCO₃⁻の再吸収・排泄を調整(数時間〜数日で反応)
- 代償の方向:元の異常と反対方向に変化する
- 代償の程度:pHを正常化するが、完全には戻らない
代償機能の具体例(国試頻出パターン) | |||
---|---|---|---|
原因 | 代償臓器 | 代償の方法 | 数値の変化 |
呼吸性アシドーシス | 腎臓 | HCO₃⁻の再吸収↑ H⁺の排泄↑ |
HCO₃⁻ ↑ |
呼吸性アルカローシス | 腎臓 | HCO₃⁻の排泄↑ H⁺の再吸収↑ |
HCO₃⁻ ↓ |
代謝性アシドーシス | 呼吸器 | 換気量↑ CO₂排出↑ |
PaCO₂ ↓ |
代謝性アルカローシス | 呼吸器 | 換気量↓ CO₂蓄積 |
PaCO₂ ↑ |
国試頻出!実践問題で代償機能をマスター
代償機能の理解度を確認するため、国試レベルの実践問題に挑戦しましょう。
【練習問題2】代謝性アシドーシスの代償
糖尿病性ケトアシドーシスの患者の血液ガス分析結果。代償の状態として最も適切なものを選択せよ。
pH:7.25
PaCO₂:25mmHg
HCO₃⁻:15mEq/L
PaO₂:95mmHg
選択肢:
- 代償なし
- 呼吸性代償あり(部分代償)
- 呼吸性代償あり(完全代償)
- 腎性代償あり
- 混合性障害


【解答・解説】
正解:2. 呼吸性代償あり(部分代償)
代償判定のポイント:
原因: HCO₃⁻↓による代謝性アシドーシス
代償: PaCO₂↓(25mmHg)で呼吸性代償
程度: pH 7.25(正常化していない)→ 部分代償
糖尿病性ケトアシドーシスでは、深く大きな呼吸(Kussmaul呼吸)でCO₂を過剰に排出し、酸血症を軽減しようとします。
国試で狙われやすい疾患別血液ガス分析パターン
国家試験では特定の疾患と血液ガス分析の組み合わせが頻繁に出題されます。以下の疾患別パターンを覚えておきましょう。
国試頻出!疾患別血液ガスパターン | |||
---|---|---|---|
疾患 | 病態 | 特徴的な所見 | 覚え方 |
COPD | 呼吸性アシドーシス | pH↓、PaCO₂↑↑、PaO₂↓ | CO₂が出ていかない |
過換気症候群 | 呼吸性アルカローシス | pH↑、PaCO₂↓↓ | CO₂を吐きすぎる |
糖尿病性ケトアシドーシス | 代謝性アシドーシス | pH↓、HCO₃⁻↓、PaCO₂↓ | ケト酸でHCO₃⁻消費 |
嘔吐(胃液喪失) | 代謝性アルカローシス | pH↑、HCO₃⁻↑ | H⁺を失う |

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血液ガス分析の考え方【国家試験対策】- パート3(最終回):混合性障害と国試過去問完全攻略
いよいよ血液ガス分析シリーズの最終回です!パート3では、国試で最も難易度の高い「混合性障害」の判定方法と、実際の国家試験過去問を使った実践的な解法テクニックを完全マスターします。これで国試の血液ガス分析問題は完璧です!

混合性障害とは?国試での出題パターン
混合性障害とは、呼吸性と代謝性の障害が同時に起こる状態です。国試では難易度の高い問題として出題される傾向があり、確実に得点するためには特別な解法テクニックが必要です。
- 定義:呼吸性と代謝性の障害が同時に存在する状態
- 判定方法:代償の範囲を超えた変化があるかをチェック
- 国試出題率:全血液ガス問題の約15-20%
- 難易度:上級レベル(合格者でも正答率60-70%程度)
混合性障害の典型パターン(国試頻出) | |||
---|---|---|---|
組み合わせ | pH | 特徴 | 代表的疾患 |
呼吸性アシドーシス + 代謝性アシドーシス |
著明な低下 (pH<7.20) |
PaCO₂↑ HCO₃⁻↓ |
心肺停止 重篤なショック |
呼吸性アルカローシス + 代謝性アルカローシス |
著明な上昇 (pH>7.60) |
PaCO₂↓ HCO₃⁻↑ |
肝硬変 利尿薬過量 |
呼吸性アシドーシス + 代謝性アルカローシス |
正常に近い (相殺効果) |
PaCO₂↑ HCO₃⁻↑ |
COPD+利尿薬 |
呼吸性アルカローシス + 代謝性アシドーシス |
正常に近い (相殺効果) |
PaCO₂↓ HCO₃⁻↓ |
敗血症 |

混合性障害判定の実践的手順
混合性障害を正確に判定するための5ステップ手順を紹介します。これをマスターすれば、国試の最難関問題も確実に解けるようになります。
混合性障害判定5ステップ
基本的な酸塩基障害を特定
pHとPaCO₂、HCO₃⁻から主たる障害を判定
予想される代償の範囲を計算
Winter式などの代償予測式を使用
実際の値と比較
予想範囲内か、それを超えているかを確認
混合性障害の有無を判定
範囲を超えていれば混合性障害あり
具体的な組み合わせを特定
どの障害が組み合わさっているかを明確化
国試過去問を使った実践演習
実際の国家試験レベルの混合性障害問題に挑戦しましょう。この問題が解ければ、国試本番でも十分対応できます。
【国試レベル最終問題】混合性障害の判定
70歳男性。慢性閉塞性肺疾患(COPD)で通院中。今回、強い嘔吐を繰り返した後に呼吸困難が増悪し救急搬送された。血液ガス分析の結果を示す。
pH:7.45
PaCO₂:55mmHg
HCO₃⁻:37mEq/L
PaO₂:65mmHg
BE:+12mEq/L
この患者の酸塩基平衡障害として最も適切なものは?
- 呼吸性アシドーシス(代償なし)
- 呼吸性アシドーシス(代償あり)
- 代謝性アルカローシス(代償あり)
- 呼吸性アシドーシス+代謝性アルカローシス(混合性障害)
- 正常


【解答・解説】
正解:4. 呼吸性アシドーシス+代謝性アルカローシス(混合性障害)
5ステップ解法で判定:
ステップ1: pH 7.45(正常上限)、しかし両方の値が異常
ステップ2: COPD → 慢性呼吸性アシドーシスの予想代償:HCO₃⁻ 30mEq/L程度
ステップ3: 実際のHCO₃⁻ 37mEq/L → 予想を大幅に超過
ステップ4: 混合性障害あり
ステップ5: 呼吸性アシドーシス(COPD)+ 代謝性アルカローシス(嘔吐)
pHが正常に見えても、PaCO₂とHCO₃⁻が両方とも異常な場合は必ず混合性障害を疑いましょう。
国試で確実に得点するための最終チェックリスト
血液ガス分析の全内容を振り返り、国試本番で使える最終チェックリストを作成しました。試験前に必ず確認してください。
🎯 国試本番用:血液ガス分析完全チェックリスト
📊 基準値(必須暗記)
- pH:7.35〜7.45
- PaCO₂:35〜45mmHg
- HCO₃⁻:22〜26mEq/L
- PaO₂:80〜100mmHg
🔄 3ステップ解法
- pH で酸血症・アルカリ血症判定
- PaCO₂・HCO₃⁻ で原因特定
- 代償の有無を確認
🔍 判定のコツ
- 呼吸性:pH と PaCO₂ 逆方向
- 代謝性:pH と HCO₃⁻ 同方向
- 代償:元の異常と反対方向
⚠️ 混合性障害
- 代償範囲を超えた変化
- pH正常でも両方異常
- 極端なpH変化
🏆 国試頻出疾患パターン
COPD→呼吸性アシドーシス 過換気→呼吸性アルカローシス DKA→代謝性アシドーシス 嘔吐→代謝性アルカローシス
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🔥 国試直前対策:最重要ポイント
- 血液ガス分析は毎年必ず出題される重要分野
- 基準値の暗記は絶対必須(pH、PaCO₂、HCO₃⁻の3つは完璧に)
- 3ステップ解法をマスターすれば確実に得点できる
- 混合性障害は難易度高いが、できれば他の受験生と差をつけられる
- 疾患別パターンを覚えて時間短縮を図る
まとめ:血液ガス分析で国試を制覇しよう
3回にわたる血液ガス分析シリーズ、いかがでしたでしょうか。基礎的なpH判定から、複雑な混合性障害まで、国家試験で出題される全レベルの内容を網羅しました。これらの知識を身につけることで、血液ガス分析問題で確実に得点できるようになります。
血液ガス分析シリーズ総まとめ | ||
---|---|---|
パート | 主な内容 | マスターレベル |
パート1 | 基準値、3ステップ解法、pH判定 | 基礎〜標準 |
パート2 | 呼吸性・代謝性判定、代償機能 | 標準〜応用 |
パート3 | 混合性障害、国試過去問演習 | 応用〜発展 |

継続学習で国試合格を確実にしよう
血液ガス分析の学習は、一度理解しただけでは定着しません。継続的な問題演習と復習が重要です。以下のステップで学習を続けていきましょう。
📈 継続学習プラン(国試まで)
基礎固め(パート1復習)
基準値の完全暗記と3ステップ解法の定着
応用力強化(パート2復習)
代償機能の理解を深める問題演習
最難関克服(パート3復習)
混合性障害の判定と国試過去問チャレンジ
総合演習
アプリを使った模擬試験と弱点補強
🎯 国試合格への最終メッセージ
血液ガス分析をマスターしたあなたなら、必ず国家試験に合格できます。この知識は国試だけでなく、看護師になってからも必ず役立つ重要なスキルです。継続的な学習で確実に実力をつけ、自信を持って国試に臨んでください。
あなたの看護師国家試験合格を心から応援しています!一緒に頑張りましょう!

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