【看護学生必見】実習・国試で絶対覚えるべき薬剤完全ガイド – パート4:抗がん剤・化学療法薬剤
看護学生の皆さん、実習で化学療法を受けている患者さんを担当して「この抗がん剤はどんな副作用があるの?」「なぜこんなに厳重に取り扱うの?」と疑問に思ったことはありませんか?

なぜ抗がん剤の知識が看護学生に重要なのか?
抗がん剤は他の薬剤と比べて特別な注意が必要な薬剤です。その理由を理解することから始めましょう。
🎯 抗がん剤が特別な理由
- 治療域が狭い:効果的な量と毒性が現れる量の差が小さい
- 重篤な副作用:骨髄抑制、臓器毒性など生命に関わる副作用
- 取り扱いの危険性:調製・投与時の曝露リスク
- 個人差が大きい:患者によって副作用の現れ方が大きく異なる
- 複雑なレジメン:多剤併用療法での相互作用


今回の記事では、実習と国家試験で特に重要な4つの抗がん剤について、以下の構成で詳しく解説していきます。
今回学ぶ主要抗がん剤一覧 | ||||
---|---|---|---|---|
分類 | 代表薬 | 作用機序 | 特徴的副作用 | 実習頻度 |
アルキル化薬 | シスプラチン (ランダ) |
DNA鎖の架橋形成により複製を阻害 | 腎毒性・聴器毒性 末梢神経障害 |
★★★ |
抗腫瘍抗生物質 | ドキソルビシン (アドリアマイシン) |
DNAに挿入・トポイソメラーゼII阻害 | 心毒性・脱毛 尿の赤色化 |
★★★ |
代謝拮抗薬 | 5-フルオロウラシル (5-FU) |
チミジル酸合成酵素阻害・RNA合成阻害 | 口内炎・下痢 手足症候群 |
★★★ |
植物アルカロイド | パクリタキセル (タキソール) |
微小管安定化により細胞分裂を阻害 | 末梢神経障害 過敏反応・筋肉痛 |
★★☆ |
★★★:実習で非常によく見る ★★☆:実習でときどき見る
主要抗がん剤の詳細解説
それでは、実習で最も遭遇する可能性の高い4つの抗がん剤について、一つずつ詳しく学んでいきましょう。
① シスプラチン(ランダ)- アルキル化薬
💎 シスプラチンの基本情報
分類 | プラチナ系抗がん剤(アルキル化薬様作用) |
作用機序 | DNAの二本鎖に架橋を形成し、DNA合成・修復を阻害 |
適応がん種 | 肺がん・胃がん・食道がん・頭頸部がん・卵巣がん・膀胱がん |
投与方法 | 静脈内投与(大量補液とセット) |
特徴 | 「がん化学療法の基本薬」多くのレジメンに含まれる |

シスプラチンの三大副作用
シスプラチンには「三大副作用」と呼ばれる特徴的な副作用があります。実習でも国試でも頻出ポイントです。
シスプラチンの三大副作用 | |||
---|---|---|---|
副作用 | 症状 | 看護のポイント | 予防策 |
腎毒性 | 血清クレアチニン上昇 尿量減少・血尿 |
尿量・腎機能の厳重モニタリング 水分出納バランスの管理 |
大量補液 (2000-3000mL) |
聴器毒性 | 難聴・耳鳴り 特に高音域から障害 |
聴力の定期的な評価 患者の訴えに注意深く対応 |
累積投与量の管理 聴力検査の実施 |
末梢神経障害 | 手足のしびれ・痛み 運動機能障害 |
ADL評価・転倒予防 しびれの程度の評価 |
投与量の調整 ビタミンB12補充 |


シスプラチン投与時の看護観察ポイント
- 投与前:腎機能(Cr、BUN)・聴力・神経症状の評価
- 投与中:補液の投与量・投与速度の管理、尿量測定
- 投与後:尿量(100mL/時以上維持)、浮腫の有無
- 継続観察:聴力の変化、手足のしびれの程度
- 患者教育:水分摂取の重要性、副作用症状の早期報告
② ドキソルビシン(アドリアマイシン)- 抗腫瘍抗生物質
🔴 ドキソルビシンの基本情報
分類 | アントラサイクリン系抗腫瘍抗生物質 |
作用機序 | DNA二本鎖への挿入・トポイソメラーゼII阻害 |
適応がん種 | 乳がん・悪性リンパ腫・急性白血病・肉腫・胃がん |
特徴的症状 | 尿の赤色化(投与後24-48時間) |
累積投与量 | 心毒性のため450-500mg/m²が上限 |

ドキソルビシンの重要な副作用
ドキソルビシンで最も注意すべきは心毒性です。累積投与量に依存するため、生涯投与量の厳格な管理が必要です。
ドキソルビシンの主要副作用 | |||
---|---|---|---|
副作用 | 症状・特徴 | 看護観察ポイント | 対策 |
心毒性 | 心筋障害・心不全 累積投与量依存性 不可逆性の場合がある |
心電図・心エコー 息切れ・動悸・浮腫 EF値の定期的評価 |
累積量450mg/m² まで厳守 デクスラゾキサン併用 |
尿の赤色化 | 投与後24-48時間持続 薬物の色による正常反応 |
患者への事前説明 不安軽減のための支援 |
十分な水分摂取 適切な患者教育 |
血管外漏出 | 壊死性薬剤 重篤な組織障害 外科的治療が必要な場合 |
血管確保の確認 腫脹・疼痛・発赤の観察 患者の訴えに注意 |
中心静脈ルート推奨 漏出時即座に中止 局所冷却 |
脱毛 | ほぼ100%発生 投与開始2-3週後 治療終了後に回復 |
心理的支援 ウィッグの情報提供 QOLの維持 |
クーリングキャップ 心理的ケア 美容支援 |


🚨 血管外漏出時の緊急対応
- 即座に投与中止:ドキソルビシンの注入を直ちに停止
- 薬剤の回収:可能な限り注射器で薬剤を吸引回収
- 針の抜去禁止:アンタドット投与のため針は抜かない
- 医師への報告:形成外科医への緊急相談
- 局所冷却:氷嚢で15-20分間冷却(血管収縮で拡散防止)
- デクスラゾキサン投与:漏出部位への局所注射
- 経過観察:48時間以上の厳重な観察継続
- 投与前確認:累積投与量の計算・心機能評価(心エコー、心電図)
- 投与中観察:血管確保の状態・刺入部位の腫脹や疼痛
- 患者教育:尿の赤色化は正常・心症状(動悸、息切れ)の報告
- 心理的支援:脱毛に対する不安への対応・QOL維持の支援
- 継続観察:心機能モニタリング・長期フォローアップの重要性
③ 5-フルオロウラシル(5-FU)- 代謝拮抗薬
5-FUの特徴と副作用 | |
---|---|
分類 | ピリミジン系代謝拮抗薬 |
作用機序 | チミジル酸合成酵素阻害→DNA合成阻害・RNA機能阻害 |
適応がん種 | 消化器がん(胃・大腸・肝・胆・膵)・乳がん・頭頸部がん |
特徴的副作用 | 口内炎・下痢・手足症候群 |
投与方法 | 静脈内投与・持続静注・動脈内投与 |

5-FUの特徴的副作用:手足症候群
👐 手足症候群(Hand-Foot Syndrome)
発症時期 | 投与開始から2-6週後 |
症状 | 手のひら・足裏の発赤・腫脹・疼痛・皮膚剥離 |
重症度 | Grade1-3(軽度の発赤から日常生活に支障をきたすレベル) |
対処法 | 保湿・刺激回避・投与量調整・休薬 |
④ パクリタキセル(タキソール)- 植物アルカロイド
🌿 パクリタキセルの基本情報
分類 | タキサン系(イチイの木から抽出) |
作用機序 | 微小管の安定化→細胞分裂阻害 |
適応がん種 | 乳がん・卵巣がん・肺がん・胃がん |
特徴的副作用 | 末梢神経障害・過敏反応・筋肉痛 |
前投薬 | 過敏反応予防(ステロイド・抗ヒスタミン薬・H2ブロッカー) |


⚠️ パクリタキセルの過敏反応
症状分類 | 具体的症状 | 対応 |
---|---|---|
皮膚症状 | 発疹・発赤・かゆみ・蕁麻疹 | 投与中止・抗ヒスタミン薬 |
呼吸器症状 | 呼吸困難・喘鳴・咳嗽 | 酸素投与・ステロイド・気管支拡張薬 |
循環器症状 | 血圧低下・頻脈・胸痛 | 昇圧剤・輸液・アドレナリン |
- 5-FU:口腔内観察(口内炎の程度)・手足の皮膚状態・下痢の程度
- パクリタキセル:前投薬の確実な投与・投与開始後15分間の厳重観察
- 共通:骨髄抑制の定期的評価・感染予防策の徹底
- 患者教育:副作用症状の早期報告・日常生活の注意点
- 心理的支援:不安軽減・QOL維持のための継続的サポート
骨髄抑制とFebrile Neutropenia対応
抗がん剤の最も重要で生命に関わる副作用が骨髄抑制です。特に好中球減少による感染症は医学的緊急事態となります。
骨髄抑制の経時変化
抗がん剤投与後の骨髄抑制の経時変化 | ||||
---|---|---|---|---|
血球種類 | 減少開始 | 最低値時期 | 回復時期 | 主なリスク |
白血球 (好中球) |
3-5日 | 7-14日 | 14-21日 | 感染症・敗血症 (最も危険) |
血小板 | 5-7日 | 10-14日 | 14-28日 | 出血・紫斑 脳出血リスク |
赤血球 (ヘモグロビン) |
7-10日 | 14-28日 | 28-42日 | 貧血・倦怠感 活動耐性低下 |

Febrile Neutropenia(FN)の緊急対応
🚨 FNの診断基準と緊急対応
診断基準 | 好中球数 < 500/μL かつ 発熱 ≥ 38.0℃(1回測定) または 37.5℃以上(1時間継続) |
治療開始 | 30分以内に抗生物質投与開始 |
第一選択薬 | カルバペネム系・第4世代セフェム系 |
隔離 | 個室管理・接触予防策の徹底 |


血管外漏出の対応
抗がん剤の血管外漏出は、特にドキソルビシンなどの壊死性薬剤で深刻な組織障害を引き起こします。
💉 血管外漏出時の対応手順
- 即座に投与中止
- 薬剤の注入を直ちに停止
- 患者の訴えや注射部位の異常を確認
- 薬剤の回収
- 注射器で可能な限り薬剤を吸引回収
- 針は抜去せず(アンタドット投与のため)
- 医師への緊急報告
- 主治医・形成外科医への連絡
- 薬剤名・投与量・漏出時間の報告
- 局所処置
- 氷嚢で15-20分間冷却(血管収縮効果)
- 患部の挙上・安静保持
- アンタドートの投与
- デクスラゾキサン(ドキソルビシンの場合)
- ヒアルロニダーゼ(ビンカアルカロイドの場合)
- 継続観察
- 48-72時間の厳重な経過観察
- 写真による記録・皮膚科コンサルト
薬剤別血管外漏出対応 | |||
---|---|---|---|
薬剤分類 | 代表薬 | 局所処置 | アンタドット |
壊死性薬剤 | ドキソルビシン エピルビシン |
冷却 (血管収縮) |
デクスラゾキサン (局所注射) |
刺激性薬剤 | ビンクリスチン ビンブラスチン |
温罨法 (血管拡張) |
ヒアルロニダーゼ (皮下注射) |
非刺激性薬剤 | 5-FU シクロホスファミド |
経過観察 症状に応じて処置 |
通常不要 |
- 骨髄抑制予防:定期的血液検査・G-CSF製剤の適切な使用
- FN対応:30分以内の抗生物質投与開始が生命予後を左右
- 漏出予防:中心静脈ルート使用・血管確保の確実な確認
- 早期発見:患者の訴えを重視・注射部位の継続的観察
- 患者教育:感染予防策・副作用症状の早期報告の重要性
抗がん剤の安全管理(PPE使用法)
抗がん剤は取り扱う医療従事者にとっても危険な薬剤です。適切な個人防護具(PPE)の使用が必須です。
🛡️ 抗がん剤取り扱い時のPPE基準
PPE種類 | 仕様・材質 | 使用目的・注意点 |
---|---|---|
手袋 | 二重手袋 ・内側:ラテックス/ニトリル ・外側:ケモ用厚手手袋 |
薬剤の皮膚接触防止 30分ごとに外側手袋交換 破損時は即座に交換 |
ガウン | 撥水性・長袖 ・使い捨てタイプ ・袖口がリブ加工 |
薬剤の衣服汚染防止 前開きタイプで脱着容易 使用後は適切に廃棄 |
マスク | N95マスク ・高性能フィルター ・密着性の確認 |
エアロゾル化した薬剤の吸入防止 フィットテスト実施 調製時は必須 |
ゴーグル | 全面覆いタイプ ・側面ガード付き ・曇り防止加工 |
薬剤の飛散による眼への接触防止 調製・投与時の着用 使用後は消毒 |


閉鎖式薬物移送システム(CSTD)
🔒 CSTDの重要性と特徴
目的 | 抗がん剤の調製・投与時の薬剤曝露を最小限に抑制 |
仕組み | 密閉系での薬剤移動・エアロゾル化の防止 |
効果 | 医療従事者の曝露リスクを90%以上削減 |
代表製品 | PhaSeal®、TEVADAPTOR®、EQUASHIELD® |
抗がん剤レジメンの理解
実習では単独の抗がん剤ではなく、複数の薬剤を組み合わせた「レジメン」での治療が多く見られます。
代表的な抗がん剤レジメン | |||
---|---|---|---|
レジメン名 | 薬剤構成 | 適応がん種 | 主な副作用 |
FOLFOX | 5-FU + オキサリプラチン + ロイコボリン |
大腸がん | 末梢神経障害 口内炎・下痢 |
AC療法 | ドキソルビシン + シクロホスファミド |
乳がん | 心毒性・脱毛 骨髄抑制 |
CDDP+5-FU | シスプラチン + 5-フルオロウラシル |
食道がん・頭頸部がん | 腎毒性・聴器毒性 高度な悪心嘔吐 |
CHOP | シクロホスファミド + ドキソルビシン + ビンクリスチン + プレドニゾロン |
悪性リンパ腫 | 骨髄抑制・感染症 末梢神経障害 |


制吐薬の適切な使用
🤢 催吐リスク分類と制吐薬の選択
催吐リスク | 代表薬剤 | 推奨制吐薬 |
---|---|---|
高度 (>90%) |
シスプラチン AC療法 |
3剤併用 NK1拮抗薬+5HT3拮抗薬+デキサメタゾン |
中等度 (30-90%) |
オキサリプラチン ドキソルビシン |
2剤併用 5HT3拮抗薬+デキサメタゾン |
軽度 (10-30%) |
パクリタキセル 5-FU |
単剤 デキサメタゾンまたはドパミン拮抗薬 |
- PPEの正しい使用:二重手袋・撥水性ガウン・N95マスク・ゴーグル
- CSTD活用:薬剤曝露リスクを最小化する閉鎖式システム
- レジメン理解:各薬剤の相互作用と副作用の相乗効果を把握
- 制吐薬管理:催吐リスクに応じた適切な制吐薬の選択・投与
- スタッフ教育:安全取り扱いの知識・技術の継続的更新
国家試験でよく出る抗がん剤問題
国家試験では抗がん剤の副作用、看護の優先順位、緊急時対応が頻繁に出題されます。実習経験と併せて確実に得点源にしましょう。
📝 国試頻出ポイント
- 骨髄抑制の経時変化:白血球→血小板→赤血球の順に回復
- 好中球減少+発熱:Febrile Neutropeniaは医学的緊急事態
- シスプラチンの三大副作用:腎毒性・聴器毒性・末梢神経障害
- ドキソルビシンの特徴:尿の赤色化・心毒性・累積投与量制限
- 5-FUの副作用:口内炎・下痢・手足症候群
- 抗がん剤の安全管理:二重手袋・撥水性ガウン・閉鎖式薬物移送システム
- 制吐薬の使い分け:5HT3拮抗薬(急性期)・NK1拮抗薬(遅発性)
過去問分析:出題パターンと対策
国家試験出題パターン分析 | |||
---|---|---|---|
出題分野 | 典型的な問題 | 対策ポイント | 頻出度 |
副作用の時期 | 「抗がん剤投与後、最も早く現れる副作用は?」 | 骨髄抑制の順番 「白→血→赤」で覚える |
★★★ |
緊急時対応 | 「好中球500/μL、38.5℃の患者への対応は?」 | FNは30分以内の 抗生物質投与が必須 |
★★★ |
薬剤別特徴 | 「シスプラチン投与時に最も注意すべき副作用は?」 | 各薬剤の特徴的副作用 語呂合わせで暗記 |
★★★ |
安全管理 | 「抗がん剤取り扱い時のPPEで適切なのは?」 | 二重手袋・撥水性ガウン N95マスクは必須 |
★★☆ |
血管外漏出 | 「ドキソルビシンの血管外漏出時の対応は?」 | 即座に中止・冷却 デクスラゾキサン投与 |
★★☆ |


実習で使える!抗がん剤の覚え方
抗がん剤は種類が多く複雑ですが、語呂合わせと連想を使うことで効率的に暗記できます。
- シスプラチン:「シス(腎)が聞こえん(聴器)手足(神経)」
- ドキソルビシン:「ドキドキ(心毒性)赤い(尿色)ハゲる(脱毛)」
- 5-FU:「ゴー(5)エフユー、口(口内炎)が痛くて下痢(下痢)する」
- パクリタキセル:「パクパク(過敏反応)手足ピリピリ(神経障害)」
- 骨髄抑制:「白(7-14日)血(10-14日)赤(14-28日)」
- FN対応:「好中球少なくて熱出たら30分以内!」
- 血管外漏出:「止めて(中止)吸って(回収)冷やす」
実習記録に役立つ観察ポイント
📋 抗がん剤投与患者の看護記録ポイント
観察項目 | 具体的な観察内容 | 記録のポイント |
---|---|---|
投与前評価 | 血液データ・バイタルサイン・全身状態・前回の副作用 | 数値と患者の訴えを具体的に記載 前回との比較を含める |
投与中観察 | 血管確保の状態・注射部位の腫脹・疼痛・発赤・過敏反応 | 時間と症状を詳細に記録 患者の表情・言動も含める |
投与後フォロー | 悪心嘔吐・倦怠感・食事摂取状況・水分出納 | 制吐薬の効果・ADLへの影響 患者・家族の反応を含める |
継続観察 | 感染徴候・出血傾向・口腔内状態・皮膚の変化 | 客観的な観察と主観的な訴え 写真記録も活用 |
心理的支援のポイント
抗がん剤治療は身体的な副作用だけでなく、患者の心理的な負担も大きいものです。看護学生も心理的支援の重要性を理解しておきましょう。
❤️ 抗がん剤治療患者への心理的支援
- 治療への不安:効果や副作用に対する正確な情報提供
- 外見の変化:脱毛に対するウィッグや帽子の情報提供
- 日常生活への影響:ADL低下時の工夫や支援方法の提案
- 家族への配慮:家族も含めた情報共有と支援体制の構築
- 希望の維持:小さな改善や前進を一緒に喜ぶ姿勢
- 尊厳の尊重:患者の価値観や意思決定を尊重した関わり


実習前チェックリスト
抗がん剤治療患者実習前の準備チェックリスト
基礎知識の確認
主要抗がん剤4種の作用機序・副作用・看護ポイントの復習
緊急時対応の確認
FN・血管外漏出・過敏反応の対応手順を確認
安全管理の確認
PPEの正しい着脱・CSTD使用法・曝露時の対応
コミュニケーションの準備
患者・家族への説明方法・心理的支援の方法を確認
記録・報告の準備
観察ポイントの整理・記録の書き方・報告すべき内容の確認
- 暗記の定着:語呂合わせを活用した確実な知識の定着
- 臨床判断力:「なぜその対応をするのか」の理由を理解
- 優先順位:複数の副作用が起きた時の対応優先順位
- 患者理解:心理面も含めた包括的な患者理解
- チーム医療:他職種との連携・報告・相談のタイミング
まとめ:抗がん剤・化学療法薬剤のポイント
今回は実習と国家試験で最も重要な4つの抗がん剤について詳しく学んできました。最後にポイントを整理しておきましょう。
抗がん剤・化学療法薬剤 総まとめ | ||
---|---|---|
分類 | 最重要ポイント | 実習・国試での頻出度 |
アルキル化薬 | シスプラチンの腎毒性・聴器毒性・大量補液の必要性 | ★★★ 非常に高い |
抗腫瘍抗生物質 | ドキソルビシンの心毒性・尿の赤色化・血管外漏出対応 | ★★★ 非常に高い |
代謝拮抗薬 | 5-FUの口内炎・下痢・手足症候群 | ★★★ 非常に高い |
植物アルカロイド | パクリタキセルの過敏反応・末梢神経障害・前投薬 | ★★☆ 中程度 |
共通副作用 | 骨髄抑制・FN・悪心嘔吐・感染予防・安全管理 | ★★★ 非常に高い |

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- パート1:循環器系薬剤(降圧薬・利尿薬・強心薬)
- パート2:中枢神経系薬剤(鎮痛薬・向精神薬)
- パート3:内分泌系薬剤(インスリン・ステロイド)
- パート4:抗がん剤・化学療法薬剤 ←今回の内容
- パート5:感染症・抗生物質
- パート6:実習頻出薬剤(消化器・呼吸器・外用薬・緊急薬)
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🌟 看護学生の皆さんへメッセージ
抗がん剤治療は看護師にとって非常に専門性の高い分野です。しかし、正しい知識と技術を身につければ、患者さんの生命と向き合う素晴らしい看護ができるようになります。
今回学んだ内容を実習で活かし、患者さんの安全と安楽を守る看護師として成長していってください。皆さんの頑張りが、多くのがん患者さんの希望となることを心から応援しています!
📚 次回予告:パート5「感染症・抗生物質」をお楽しみに!
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