【看護学生必見】サードスペースとは?術後管理で重要な体液移動を駅の改札で完全理解!
看護学生の皆さん、成人看護学の実習で「サードスペース」という言葉を聞いて、頭の中が「?」でいっぱいになったことはありませんか?手術後の患者さんの体液管理を理解する上で、サードスペースの概念は絶対に避けて通れない重要なポイントです。
でも安心してください!今日は、サードスペースを「駅の改札」に例えて、誰でも理解できるように解説していきます。この記事を読めば、実習でも自信を持って術後管理に取り組めるようになりますよ!

なぜサードスペースが理解しにくいのか?
まず、なぜ多くの看護学生がサードスペースでつまずいてしまうのでしょうか?主な理由は以下の3つです。
- 目に見えない現象だから:体内での水分移動は実際に見ることができない
- 時間的変化が複雑だから:術直後から数日間にわたって変化し続ける
- 専門用語が多いから:血管透過性、間質、循環血液量など難しい言葉がたくさん出てくる


駅の改札で理解するサードスペース
サードスペースを理解するために、駅の改札システムで考えてみましょう。この例えを使えば、複雑な体液移動が驚くほどわかりやすくなります!
駅の改札システム = 体内の水分分布
まず、正常な状態での体内の水分分布を駅に例えてみます:
🚉 駅の改札システム = 体内の水分分布
- 🚇 改札内(プラットホーム) = 血管内(血液)
- 🏢 改札外(駅の中) = 細胞内・細胞外(正常な体液)
- 🚪 待合室・通路 = サードスペース(異常な貯留場所)
- 🎫 改札機 = 血管壁(透過性のコントロール)

正常な状態:スムーズな改札システム
正常な状態では、血管壁(改札機)がしっかりと機能していて、必要な分だけの水分や栄養が血管から組織へ移動し、不要なものは血管に戻ってきます。
✅ 正常な状態
改札内(血管内): 適切な血液量で循環している
改札外(組織): 必要な栄養と酸素を受け取り、老廃物を血管に返している
待合室(サードスペース): ほとんど使われていない(正常では存在しない)
手術・外傷後:改札機の故障状態
手術や外傷などの侵襲が加わると、血管壁の透過性が亢進します。つまり、改札機が故障して、本来通れないはずの人まで通れるようになってしまうのです!


⚠️ 手術・外傷後の状態
改札内(血管内): 水分が漏れ出して血液量が減少 → 循環血液量低下
待合室(サードスペース): 本来いるべきでない水分が大量に貯留
結果: 血圧低下、尿量減少、むくみなどの症状が出現
サードスペースとは何か?専門的定義
駅の例えで理解できたところで、専門的な定義も確認しておきましょう。
📚 サードスペースの定義
サードスペースとは、手術や外傷によって生体が侵襲された際に、血管内の水分が血管外に漏れ出し、一時的に貯留する場所のことです。
- ファーストスペース: 細胞内液(細胞の中の水分)
- セカンドスペース: 細胞外液(血管内 + 間質液)
- サードスペース: 異常な水分貯留場所(腹腔内、胸腔内、組織間など)
⚠️ 正常な状態ではサードスペースは存在しません!
サードスペースが形成されやすい場所
実際の臨床では、以下のような場所にサードスペースが形成されやすくなります:
形成場所 | 具体例 | 症状・所見 |
---|---|---|
腹腔内 | 腹部手術後 | 腹部膨満、腸蠕動音減弱 |
組織間 | 外傷、感染 | 局所の腫脹、圧痛 |
胸腔内 | 胸部手術後 | 呼吸困難、胸部不快感 |
四肢 | 骨折、挫傷 | 著明な腫脹、皮膚緊張 |

手術に関する詳しい知識を身につけよう
サードスペースを理解するためには、手術についての基礎知識も重要です。手術の種類や侵襲度によって、サードスペースの形成パターンも変わってきます。
手術について詳しく学びたい方は、こちらの手術に関する詳細記事もぜひ参考にしてください!手術の基礎から術後管理まで、実習で役立つ情報をまとめています。
📖 パート1まとめ
駅の改札システムでサードスペースの基本概念を理解できましたね!次のパート2では、時期別の症状と具体的な観察ポイントを詳しく解説していきます。
📋 パート2:実習で使える観察ポイント編
駅の改札でサードスペースを理解できたところで、今度は実習で実際に使える知識を身につけていきましょう!
サードスペースの時期別変化とメカニズム
サードスペースは、手術や外傷後の時間経過とともに変化していきます。この変化を理解することで、患者さんの状態を的確にアセスメントできるようになります。

3つの時期に分けて理解しよう
サードスペースの変化は、大きく3つの時期に分けて考えることができます:
⏰ サードスペースの3つの時期
- 急性期(術直後〜48時間):水分がサードスペースに移動する時期
- 回復期(術後2〜3日):血管透過性が正常化していく時期
- 利尿期(術後3〜5日):サードスペースから水分が血管内に戻る時期
時期別症状と観察ポイント一覧表
実習でそのまま使える、時期別の症状と観察ポイントをまとめました。この表をスマホに保存して、実習先で活用してくださいね!
時期 | 病態 | 主な症状・所見 | 観察ポイント |
---|---|---|---|
急性期 (0〜48時間) |
水分移動期 ・血管透過性↑ ・循環血液量↓ ・サードスペース↑ |
・血圧低下 ・頻脈 ・尿量減少(<0.5ml/kg/hr) ・皮膚乾燥 ・口渇 ・創部周囲の腫脹 |
・バイタルサイン(特に血圧・脈拍) ・尿量の正確な測定 ・輸液量の確認 ・創部の観察 ・皮膚の弾力性 ・意識レベル |
回復期 (2〜3日) |
移行期 ・血管透過性正常化 ・水分移動停止 ・バランス調整期 |
・バイタル安定傾向 ・尿量徐々に改善 ・腫脹の変化 ・食欲の回復 ・活動性の向上 |
・経時的な変化の観察 ・水分バランスの評価 ・検査データの確認 ・食事摂取量 ・活動耐性の評価 |
利尿期 (3〜5日) |
水分回帰期 ・サードスペース→血管内 ・循環血液量↑ ・腎血流↑ |
・尿量増加(>2000ml/日) ・腫脹の軽減 ・体重減少 ・血圧安定 ・創治癒促進 |
・24時間尿量の測定 ・体重測定 ・電解質バランス ・脱水症状の早期発見 ・腎機能の評価 |


実習で重要!優先度の高い観察項目
実習では時間が限られているため、観察項目に優先度をつけることが重要です。サードスペースの状態を評価するための優先度を以下にまとめました。
🔥 最優先観察項目(必ず確認)
- バイタルサイン:血圧↓、脈拍↑は循環血液量減少のサイン
- 尿量:0.5ml/kg/hr以下は腎血流量減少を示す
- 意識レベル:循環不全による脳血流低下の早期発見
⚠️ 重要観察項目(時間があれば確認)
- 皮膚の状態:乾燥、弾力性低下、冷感
- 創部の観察:腫脹、発赤、滲出液の性状
- 検査データ:ヘマトクリット、電解質、腎機能
各時期の詳しい病態とメカニズム
表で概要を把握したところで、各時期の病態をより詳しく理解していきましょう。
急性期(術直後〜48時間):水分流出期
手術侵襲により血管透過性が亢進し、血管内の水分がサードスペースに移動する時期です。駅の例えでいうと、「改札機が故障して、改札内の人が待合室に流れ込んでしまう状況」です。
🔥 急性期の病態メカニズム
- 炎症反応の活性化:手術侵襲により炎症性サイトカインが放出
- 血管透過性の亢進:血管内皮細胞間の結合が緩くなる
- 膠質浸透圧の低下:アルブミンも血管外に漏出
- 循環血液量の減少:有効循環血液量が著明に低下
- 代償機転の活性化:交感神経系、レニン・アンジオテンシン系が活性化

回復期(術後2〜3日):安定化期
炎症反応が徐々に鎮静化し、血管透過性が正常に戻っていく時期です。改札機の修理が完了に近づいている状況と考えてください。
⚖️ 回復期の病態メカニズム
- 炎症反応の鎮静化:抗炎症性サイトカインの増加
- 血管透過性の正常化:血管内皮細胞の修復
- 水分移動の停止:新たなサードスペース形成の停止
- 代謝の改善:組織への酸素・栄養供給の改善
- 腎機能の回復傾向:糸球体濾過量の徐々な改善
利尿期(術後3〜5日):水分回帰期
最も劇的な変化が起こる時期です。サードスペースに貯留していた水分が血管内に戻り、大量の利尿が起こります。駅の例えでは、「待合室にいた人たちが一斉に改札内に戻ってくる状況」です。
💧 利尿期の病態メカニズム
- リンパ系の活性化:組織間液の回収能力向上
- 循環血液量の急激な増加:サードスペースからの水分回帰
- 腎血流量の増加:糸球体濾過量の大幅な改善
- ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の分泌:心房の伸展により分泌促進
- 大量利尿の開始:2000ml/日以上の尿量増加


実習で使える!アセスメントのポイント
実習でサードスペースの患者さんを受け持った時のアセスメントのコツをお教えします。
情報収集の手順
📋 効率的な情報収集の手順
- 手術記録の確認:手術時間、出血量、輸液量、術式
- 現在の輸液プランの確認:1日の輸液量と電解質バランス
- バイタルサインの推移:時系列での変化を把握
- 尿量の推移:時間尿量と24時間尿量の確認
- 検査データの推移:Hct、Alb、電解質、腎機能の変化
- 身体所見:創部、四肢、皮膚の状態
実習記録で書くべきアセスメント例
実際の実習記録で使える、サードスペースのアセスメント例を紹介します。
✍️ 実習記録アセスメント例文
【急性期の場合】
「術後24時間が経過し、現在も手術侵襲による炎症反応が継続していると考えられる。血管透過性の亢進により血管内の水分がサードスペースに移動し、循環血液量が減少している状態と推測される。血圧がベースラインより20mmHg低下し、尿量が0.3ml/kg/hrと減少していることから、腎血流量の低下が示唆される。」
【利尿期の場合】
「術後4日目を迎え、血管透過性が正常化してきたと考えられる。サードスペースに貯留していた水分が血管内に回帰し、循環血液量が増加したことで、尿量が2500ml/日と著明に増加している。今後は過度な利尿による脱水や電解質異常に注意が必要である。」
指導者に評価されるアセスメントのコツ

評価されるポイント | 良い例 | 改善が必要な例 |
---|---|---|
病態生理の理解 | 「血管透過性亢進により水分がサードスペースに移動したため」 | 「手術後だから尿量が少ない」 |
根拠の明示 | 「尿量0.3ml/kg/hrは正常値0.5ml/kg/hr以下のため」 | 「尿量が少ない」 |
時系列の把握 | 「術後48時間以内の急性期で想定される変化」 | 「現在の状態のみの記載」 |
今後の予測 | 「血管透過性正常化に伴い利尿期への移行を予測」 | 「今後の見通しなし」 |
📖 パート2まとめ
時期別の症状と観察ポイントをしっかり理解できましたね!最後のパート3では、具体的な事例を通してさらに理解を深めていきましょう。

📚 パート3:事例で学ぶ実践編
実際の症例を通してサードスペースの理解を深め、実習で使える知識を完成させましょう!
事例で学ぶサードスペース
理論だけでは実際の患者さんをイメージしにくいですよね。ここでは、実際の症例を通してサードスペースの変化を学んでいきましょう。
📋 症例情報
患者: 田中太郎さん、65歳男性
診断: 胃癌
手術: 幽門側胃切除術(開腹手術)
手術時間: 4時間30分
術中出血量: 350ml
体重: 70kg

時系列での変化を追ってみよう
時期 | バイタルサイン | 尿量・水分バランス | 身体所見 | アセスメント |
---|---|---|---|---|
術直後 | BP: 110/70→95/60 HR: 75→95 体温: 36.2℃ |
尿量: 15ml/hr (0.21ml/kg/hr) 輸液: 100ml/hr |
創部: 軽度腫脹 皮膚: やや乾燥 四肢: 冷感なし |
手術侵襲により血管透過性が亢進。サードスペースへの水分移動開始。循環血液量減少による代償性頻脈。 |
術後12時間 | BP: 90/55 HR: 105 体温: 36.8℃ |
尿量: 8ml/hr (0.11ml/kg/hr) 輸液: 120ml/hr |
創部: 腫脹増強 皮膚: 乾燥、弾力↓ 口唇: 軽度乾燥 |
サードスペースへの水分移動がピーク。著明な循環血液量減少。腎血流量低下による乏尿。 |
術後2日目 | BP: 100/65 HR: 88 体温: 37.1℃ |
尿量: 25ml/hr (0.36ml/kg/hr) 輸液: 80ml/hr |
創部: 腫脹軽減傾向 皮膚: 改善傾向 食事: 水分開始 |
血管透過性の正常化開始。サードスペースへの新たな水分移動停止。循環動態の安定化傾向。 |
術後4日目 | BP: 115/75 HR: 72 体温: 36.5℃ |
尿量: 120ml/hr (1.7ml/kg/hr) 24時間尿量: 2800ml |
創部: 腫脹消失 体重: 2kg減少 活動性: 向上 |
利尿期開始。サードスペースから血管内への水分回帰。循環血液量増加による利尿促進。 |


各時期での看護の重点ポイント
🩺 急性期(術後0〜48時間)の看護ポイント
- バイタルサインの頻回観察:2〜4時間ごと、変化時は1時間ごと
- 尿量の正確な測定:時間尿量を記録し、0.5ml/kg/hr以下で医師に報告
- 輸液管理の徹底:指示された輸液量の確実な投与
- 早期離床の検討:循環改善のため、可能な範囲で体位変換・離床
⚠️ この時期は「様子を見る」のではなく「積極的な観察」が重要!
💧 利尿期(術後3〜5日)の看護ポイント
- 24時間尿量の正確な測定:2000ml以上の利尿に注意
- 電解質バランスの観察:Na、K、Clの異常値に注意
- 脱水症状の早期発見:皮膚の弾力性、血圧、意識レベル
- 体重測定:1日1回、同じ条件で測定
✅ 利尿は良いサインだが、過度な脱水に注意が必要!
サードスペース理解のまとめ
ここまでの内容を整理して、サードスペースの重要ポイントをまとめましょう。
🔑 サードスペース理解の5つのキーポイント
- 駅の改札で考える:血管内=改札内、サードスペース=待合室
- 3つの時期を把握:急性期→回復期→利尿期の流れを理解
- バイタルと尿量が最重要:この2つでほぼ状態を把握できる
- 時系列での変化を予測:今後どうなるかを考えながら観察
- 病態生理で説明:なぜその症状が出るのかを理解して記録

国家試験でも頻出!覚えておくべき数値
サードスペースは国家試験でもよく出題される分野です。覚えておくべき重要な数値をまとめました。
項目 | 正常値 | 異常値(要注意) |
---|---|---|
時間尿量 | 0.5〜1.0ml/kg/hr | <0.5ml/kg/hr |
24時間尿量 | 1000〜2000ml | <400ml または >2500ml |
サードスペース移動期 | – | 術後0〜48時間 |
利尿期開始 | 術後3〜5日 | 7日以降(遷延化) |
実習でよく聞かれる質問と模範解答
💬 よくある質問とその答え
Q1: なぜ術後に尿量が減るんですか?
A1: 手術侵襲により血管透過性が亢進し、血管内の水分がサードスペースに移動するため、循環血液量が減少し、腎血流量が低下するからです。
Q2: サードスペースはどこにできるんですか?
A2: 主に組織間、腹腔内、胸腔内などに形成されます。開腹手術では特に腹腔内への貯留が多く見られます。
Q3: 利尿期にはどんなことに注意すればいいですか?
A3: 急激な水分喪失による脱水と電解質異常に注意が必要です。特に高齢者では心負荷軽減のため、利尿の程度を慎重に観察する必要があります。

さらに詳しく学びたい方へ
この記事でサードスペースの基本は理解できたと思いますが、急性期の病態生理についてもっと深く学びたい方もいらっしゃるでしょう。

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📚 プレゼント内容
- サードスペースの詳細メカニズム図解
- 急性期の水分・電解質管理のポイント
- 実習で使える観察項目チェックリスト
- 国家試験頻出問題と解説
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最後に:実習を成功させるために
サードスペースの理解は、成人看護学実習において非常に重要です。しかし、理論を覚えるだけでは十分ではありません。

🌟 実習成功のための最終アドバイス
- 基礎知識を確実に:今日学んだサードスペースの知識を復習
- 患者さんをよく観察:数値だけでなく、表情や訴えも大切に
- 疑問は積極的に質問:分からないことは恥ずかしがらずに聞く
- チームの一員として:他職種との連携も大切に
- 継続的な学習:実習が終わっても学び続ける姿勢を
✨ 皆さんが素晴らしい看護師になることを心から応援しています!
📖 記事のまとめ
✅ サードスペースは駅の改札システムで理解できる
✅ 急性期→回復期→利尿期の3つの時期を把握
✅ バイタルサインと尿量が最重要観察項目
✅ 時系列での変化を予測したアセスメントが大切
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