【看護学生必見】基礎看護学実習で患者さんと上手にコミュニケーションを取る7つのコツ
看護学生の皆さん、こんにちは!看護学生アドバイザーのかずです。いよいよ基礎看護学実習が始まりますね。「患者さんと上手に話せるかな?」「何を話したらいいんだろう?」「緊張して失敗したらどうしよう…」そんな不安を抱えている1年生の皆さんも多いのではないでしょうか。
実際、僕のところには毎年この時期になると、こんな相談がたくさん寄せられます。でも安心してください!基礎看護学実習でのコミュニケーションには、ちゃんとコツがあるんです。今日は初めての実習を控えた皆さんに向けて、患者さんやスタッフとの効果的なコミュニケーション術を具体的にお教えします。

なぜ基礎看護学実習でコミュニケーションが重要なのか?
「なぜ実習でコミュニケーションがそんなに大切なの?」と疑問に思う学生さんもいるかもしれません。基礎看護学実習におけるコミュニケーションは、単なる「お話し」ではありません。それは看護の基盤となる重要なスキルなのです。

基礎看護学実習でのコミュニケーションには、3つの重要な目的があります。以下の表で確認してみましょう。
基礎実習でのコミュニケーション3つの目的 | ||
---|---|---|
🔍
患者さんの状態把握数値では分からない本当の状態を知る |
🤝
信頼関係の構築安心して任せてもらえる関係作り |
📚
学習効果の向上教科書にない生きた知識の習得 |
1. 患者さんの状態を正確に把握するため
患者さんの体調や気持ち、困っていることなどは、コミュニケーションを通じて初めて分かります。バイタルサインなどの数値だけでは見えない「患者さんの本当の状態」を知るためには、会話が欠かせません。
2. 信頼関係を築くため
看護は患者さんとの信頼関係の上に成り立ちます。適切なコミュニケーションによって「この学生さんなら安心して任せられる」と思ってもらえることで、より良い看護を提供できるようになります。
3. 自分自身の学習のため
患者さんとの会話から学べることは本当にたくさんあります。病気に対する患者さんの気持ち、回復への想い、日常生活での困りごとなど、教科書では学べない生きた知識を得ることができます。

基礎看護学実習の特徴と実習の流れ
基礎看護学実習は、看護学生にとって初めて患者さんと直接関わる貴重な機会です。他の専門実習と違って、複雑な技術や専門知識よりも「人と人とのコミュニケーション」に重点が置かれています。
まずは、基礎看護学実習の1日の流れを詳しく見てみましょう。実習の各段階で、どのようなコミュニケーションが求められるかも一緒に確認してください。
基礎看護学実習の1日のスケジュール | |||
---|---|---|---|
時間 | 実習内容 | コミュニケーションのポイント | 重要度 |
8:30-9:00 | 病棟到着・朝の申し送り | • 指導者・看護師への挨拶 • 活発な質問姿勢を示す • メモを取る準備 |
★★★ |
9:00-10:00 | 患者さんとの初回面談 情報収集 |
• 自己紹介と挨拶 • 患者さんの体調確認 • 傾聴の姿勢 • 適切な距離感の維持 |
★★★ |
10:00-12:00 | ケアの見学・簡単な援助 バイタルサイン測定など |
• 患者さんへの声かけ • 不安軽減のための会話 • 協力依頼の仕方 • 処置中の配慮 |
★★☆ |
13:00-15:00 | 午後のケア・観察 患者さんとの会話時間 |
• 日常会話を通じた関係構築 • 患者さんの想いを聞く • 共感の表現 • 生活歴の聞き取り |
★★★ |
15:00-16:00 | 指導者との振り返り 1日のまとめ |
• 学んだことの報告 • 疑問点の質問 • 感謝の気持ちを伝える • 明日への課題確認 |
★★☆ |
この表を見ていただくと分かるように、基礎看護学実習では1日を通してさまざまな場面でコミュニケーションが求められます。それぞれの場面で適切なコミュニケーションを取ることで、実習の学習効果が大きく向上します。
パート1では、基礎看護学実習でのコミュニケーションの重要性と実習の流れについて詳しく学びました。次のパート2では、実習前に準備しておくべき具体的なポイントについて解説します。事前準備がしっかりできていれば、実習への不安も大きく軽減されますよ!
実習前に準備しておくべき3つのポイント
実習を成功させるためには、事前準備が重要です。特にコミュニケーションに関しては、準備次第で実習の成果が大きく変わります。「準備って言っても、何をすればいいの?」と思う学生さんも多いでしょう。ここでは、実習前に必ず準備しておきたい3つのポイントを詳しく説明します。

実習前準備の3ステップ
基本的な挨拶と自己紹介の練習
第一印象を決める重要な要素
患者さんとの距離感の理解
物理的・心理的距離の適切な保ち方
基本的な医療用語の確認
患者さんに分かりやすい表現への変換
1. 基本的な挨拶と自己紹介の練習
「たかが挨拶」と思うかもしれませんが、患者さんとの最初の接点となる挨拶は非常に重要です。第一印象でその後のコミュニケーションの質が決まると言っても過言ではありません。

自己紹介の完璧なパターン | |
---|---|
ステップ | 内容・例文 |
1. 挨拶 | 「おはようございます」(明るく、はっきりと) |
2. 身分の明示 | 「○○看護学校の1年生の」 |
3. 名前 | 「△△(名前)と申します」 |
4. 実習期間 | 「今日から□日間、実習でお世話になります」 |
5. お願い | 「どうぞよろしくお願いいたします」(お辞儀と共に) |
自己紹介の完全版例文「おはようございます。○○看護学校の1年生の△△と申します。今日から3日間、実習でお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」

2. 患者さんとの適切な距離感
コミュニケーションでは、物理的な距離感が非常に重要です。近すぎると患者さんが圧迫感を感じ、遠すぎると親近感を持ってもらえません。適切な距離感を知っておくことで、患者さんに安心感を与えることができます。

患者さんとの距離感ガイド | |||
---|---|---|---|
場面 | 適切な距離 | ポイント | 注意点 |
初回挨拶 | 1.5~2m | 病室の入り口付近で挨拶し、患者さんの反応を見てから近づく | いきなりベッドサイドに近づかない |
日常会話 | 1~1.5m | 椅子に座って話すか、ベッドから少し離れて立つ | 患者さんの表情を確認しながら調整 |
ケア実施 | 0.5~1m | バイタルサイン測定などの際は、事前に「近づかせていただきます」と声かけ | 必要最小限の距離に留める |
プライベートな話 | 1~1.2m | 患者さんが話しやすい雰囲気を作るため、適度に近づく | 他の患者さんに聞こえないよう配慮 |
3. 基本的な医療用語の確認
看護学生は普段から医療用語を使うことに慣れていますが、患者さんにとっては聞き慣れない言葉も多くあります。患者さんに分かりやすい表現で話すことで、安心感を与え、より良いコミュニケーションを築くことができます。

医療用語の患者向け変換表 | ||
---|---|---|
医療用語 | 患者さん向け表現 | 使用例 |
バイタルサイン | 体温や血圧の測定 | 「お体の調子を確認させていただきます」 |
アセスメント | 状態の確認 | 「今のお体の状態を確認させてください」 |
観察 | 様子を見る | 「お顔の色や呼吸の様子を見させていただきます」 |
ケア | お手伝い・お世話 | 「身の回りのお手伝いをさせていただきます」 |
インフォームドコンセント | ご説明とご同意 | 「内容をご説明してご了解をいただきます」 |
重要なポイント専門用語を使ってしまった場合は、すぐに「分かりやすく言うと…」と言い換えることが大切です。患者さんが困った顔をされたら、遠慮なく説明し直しましょう。

パート2では、実習前の準備について詳しく学びました。基本的な挨拶・自己紹介、適切な距離感、医療用語の使い分けなど、具体的な準備方法を表やガイドで整理しました。次のパート3では、いよいよ患者さんとの初回コミュニケーションのコツについて解説します。第一印象の決め方から実際の挨拶の手順まで、実践的な内容をお届けします!
患者さんとの初回コミュニケーションのコツ
パート2では実習前の準備について学びました。ここからは、いよいよ実際に患者さんとコミュニケーションを取る場面に入ります。初回の患者さんとの出会いは、その後の実習全体を左右する重要な瞬間です。

第一印象の重要性と構成要素
人間の第一印象は、出会ってから7秒で決まると言われています。患者さんにとって、あなたは「ケアを受ける相手」でもあり「頼れる存在」でもあります。最初の印象で「この学生さんなら安心」と思ってもらえるよう、以下の要素を意識しましょう。
第一印象を決める4つの要素 | |||
---|---|---|---|
要素 | 良い例 | 避けるべき例 | 影響度 |
身だしなみ | • 清潔で整った実習着 • 爪は短く、髪は清潔にまとめる • 控えめなメイク |
• しわや汚れのある実習着 • 長い爪、派手なメイク • 髪がまとまっていない |
★★★ |
表情 | • 自然な笑顔 • 明るく親しみやすい表情 • 相手の目を見る |
• 無表情や緊張した顔 • 下を向いている • 作り笑い |
★★★ |
姿勢 | • 背筋を伸ばす • 相手を真っ直ぐ見る • 落ち着いた動作 |
• 猫背や不安定な姿勢 • そわそわした動き • 腕組みや手をポケットに |
★★☆ |
声のトーン | • 明るく聞き取りやすい • 適切な音量 • ゆっくりはっきりと |
• 小さすぎる・大きすぎる • 早口や不明瞭 • 単調で感情がない |
★★☆ |


適切な挨拶の手順(フローチャート)
患者さんとの初回挨拶では、タイミングと方法が重要です。いきなりベッドサイドに近づくのではなく、段階的にアプローチすることが大切です。
患者さんとの挨拶・5つのステップ | ||
---|---|---|
STEP | 行動内容 | 例文・ポイント |
1 | 病室の入り口でノック 患者さんの存在を確認し、入室の許可を求める |
「失礼いたします」 ※3回軽くノック |
↓ | ||
2 | 入室の許可を得る 患者さんの状況を確認してから入る |
「お入りしても大丈夫ですか?」 ※患者さんの反応を待つ |
↓ | ||
3 | ベッドサイドに近づく前に声をかける 適切な距離で患者さんに挨拶 |
「〇〇さん、お疲れ様です」 ※1.5m程度の距離 |
↓ | ||
4 | 適切な距離で自己紹介 パート2で学んだ自己紹介を実践 |
「○○看護学校の1年生の△△と申します。今日から□日間、実習でお世話になります」 |
↓ | ||
5 | 今日の活動について説明 実習内容を簡潔に伝え、協力をお願いする |
「今日はお話を聞かせていただいたり、簡単なお手伝いをさせていただければと思います」 |

とても良い質問ですね。患者さんの状況を読み取ることも、重要なコミュニケーションスキルの一つです。以下の対応表を参考にしてください。
患者さんの状況別対応ガイド | ||
---|---|---|
患者さんの状況 | 適切な対応例 | NGな対応 |
忙しそうな場合 | 「お忙しいところ申し訳ございません。お時間のあるときにお話しさせていただけますでしょうか。いつ頃がよろしいですか?」 | 無理に話しかける 時間を指定して強要する |
体調が悪そうな場合 | 「お体の調子はいかがですか?無理をなさらないでください。もしよろしければ、少しだけお話しさせていただけますか?」 | 体調を無視して話を続ける 長時間の会話を強いる |
話したくなさそうな場合 | 「今日は実習でお世話になります。もしお疲れでしたら、またお時間のあるときにお伺いしますので、遠慮なくおっしゃってください」 | 一方的に話し続ける プライベートな質問をする |
初回コミュニケーションの成功ポイント
- 患者さんのペースに合わせる
- 無理に長時間話そうとしない
- 「また伺います」の一言で安心感を与える
- 笑顔と丁寧な言葉遣いを心がける


パート3では、患者さんとの初回コミュニケーションについて詳しく学びました。第一印象の4つの要素、挨拶の5ステップ、状況別対応方法など、実践的な内容を表で整理しました。次のパート4では、年代別・状況別のコミュニケーション術と聞き上手になるテクニックについて詳しく解説します。より具体的な会話例も盛り込んでお届けします!
年代別・状況別コミュニケーション術
患者さんの年代や置かれている状況によって、効果的なコミュニケーション方法は変わります。それぞれの特徴を理解して、適切なアプローチを取ることが大切です。

年代別コミュニケーション戦略 | |||
---|---|---|---|
年代 | 特徴・心理状態 | 効果的なアプローチ | 注意点 |
高齢患者さん (65歳以上) |
• 豊富な人生経験 • 家族への心配 • 体の不調への不安 • 孤独感を感じやすい |
• ゆっくりと話す • 敬語を正しく使う • 人生経験を尊重 • 懐かしい話題を取り入れる |
聞こえにくい場合は 大きめの声で ゆっくり話す |
中年患者さん (40-64歳) |
• 仕事への責任感 • 家族への心配 • 経済的な不安 • 社会復帰への焦り |
• 仕事や家族への心配に共感 • 実用的な情報を提供 • 自立性を尊重 • 具体的な見通しを伝える |
プライベートな 質問は控えめに 相手から話されたときに |
若年患者さん (20-39歳) |
• 将来への不安 • 同世代との比較 • 情報収集に積極的 • SNSなどで情報共有 |
• 対等な関係性を意識 • 正確な情報提供 • 質問に丁寧に答える • 同世代として共感 |
馴れ馴れしく なりすぎない プロとしての 距離感を保つ |

状況別対応:具体的な会話例
💬 高齢患者さんとの会話例
会話シーン:午後の病室訪問
「〇〇さん、こんにちは。お体の調子はいかがですか?」
「ありがとう。少し足が痛いけど、昨日より良いかな」
「そうでしたか。少しずつでも良くなっているようで良かったです。足が痛いときは、無理をなさらないでくださいね。何かお手伝いできることがあったら、遠慮なくおっしゃってください」
ゆっくりと話し、患者さんの痛みに共感を示し、具体的な支援を申し出ています
💼 中年患者さんとの会話例
会話シーン:仕事への心配を表す患者さん
「〇〇さん、こんにちは。今日の調子はいかがですか?」
「体は良くなってきてるんだけど、仕事のことが気になってね…」
「お仕事のことを心配されているんですね。お体の回復が一番大切ですが、お気持ちもよく分かります。先生に退院の見込みについて聞いてみることもできますよ」
仕事への心配に共感し、具体的な解決策(医師への相談)を提案しています
聞き上手になるための5つのテクニック
良いコミュニケーションの鍵は「話すこと」よりも「聞くこと」にあります。患者さんの気持ちや状況を理解するためには、聞き上手になることが欠かせません。以下の表で5つのテクニックを詳しく学びましょう。

聞き上手になるための5つのテクニック | |||
---|---|---|---|
テクニック | 具体的な方法 | 効果・理由 | 実践レベル |
1. アクティブリスニング | • 目を見て聞く • 体を患者さんの方に向ける • スマホやメモを見ない • 相手のペースに合わせる |
患者さんに「しっかり聞いてもらえている」という安心感を与える | 基本 |
2. 相づち | • 「はい」「そうですね」 • 「そうでしたか」 • 「それは大変でしたね」 • 「なるほど」 |
会話のリズムを作り、患者さんが話しやすい雰囲気を作る | 基本 |
3. 共感 | • 「お辛いですね」 • 「心配になりますよね」 • 「そう感じるのは当然ですね」 • 「よく頑張っていらっしゃいますね」 |
患者さんの気持ちを理解し、孤独感を軽減する | 応用 |
4. 質問技術 | オープン質問: 「どんなことが心配ですか?」 クローズド質問: 「痛みはありますか?」 |
適切な質問で必要な情報を得ながら、患者さんに話してもらう | 応用 |
5. 沈黙の活用 | • 3-5秒程度待つ • 焦って質問しない • 表情で関心を示す • 必要に応じて「ゆっくりで」 |
患者さんが考えをまとめたり、言いたいことを整理する時間を提供 | 上級 |

よくある失敗パターンと対処法
基礎看護学実習では、誰でも失敗を経験します。大切なのは失敗を恐れることではなく、失敗から学んで成長することです。ここでは、実習でよくある失敗パターンとその対処法を詳しく表にまとめました。

実習コミュニケーション失敗パターン完全攻略表 | |||
---|---|---|---|
失敗パターン | なぜ起こるか | 対処法 | 予防策 |
緊張して何も話せない | • 経験不足 • 完璧主義 • 失敗への恐怖 |
事前に話題を3つ準備 「今日は天気がいいですね」 「お体の調子はいかがですか?」 「何かお手伝いできることはありますか?」 |
ロールプレイで 事前練習 深呼吸法の習得 |
専門用語を使いすぎる | • 知識をアピールしたい • 普段の習慣 • 相手の立場への配慮不足 |
患者さんが分からない表情をしたら 「分かりやすく言うと…」と言い換える 事前に分かりやすい表現を覚える |
専門用語の 患者向け変換表 を作成・暗記 |
一方的に話してしまう | • 緊張による早口 • 沈黙への恐怖 • 聞くスキルの不足 |
「〜についてはいかがですか?」と 患者さんに質問を投げかける 話している時間を意識し、聞く時間を多くする |
聞く技術の 事前学習 時間配分の意識 |
距離感が分からない | • 経験不足 • 文化的背景の違い • 患者さんの個性への配慮不足 |
患者さんの反応をよく観察 嫌そうな表情をしたら一歩下がる 「この距離で大丈夫ですか?」と確認 |
基本距離の ガイドライン学習 個別性の理解 |
メモばかり見て目を合わせない | • 記録への過度な意識 • アイコンタクトへの不慣れ • 情報を漏らすことへの恐怖 |
重要なことだけメモし、 基本は患者さんの顔を見て話す 「少しメモを取らせていただいても 大丈夫ですか?」と許可を取る |
メモ取りの ルール作成 優先順位の設定 |
🚀 失敗を成功に変える3ステップ
失敗を認める
完璧でなくても大丈夫
原因を分析
なぜ起こったかを考える
改善策を実行
次回に活かす具体的行動
患者さんとの会話で使える魔法のフレーズ集
- 共感を示す:「そんな風にお感じになるのは自然なことですね」
- 安心感を与える:「一人じゃありませんよ、私たちがついています」
- 尊敬を示す:「いろいろな経験をお持ちですね」
- 励ましの言葉:「一歩ずつ良くなっていますね」
- 関心を示す:「もう少し詳しく教えていただけますか?」

パート4では、年代別・状況別のコミュニケーション術、聞き上手になるための5つのテクニック、よくある失敗パターンとその対処法について詳しく学びました。具体的な会話例や実践的な表も豊富に盛り込みました。次のパート5では、指導者や看護師とのコミュニケーションマナーについて解説します。報告・連絡・相談の技術を身につけて、実習をさらに充実させましょう!
指導者・看護師とのコミュニケーションマナー
患者さんとのコミュニケーションと同じくらい重要なのが、指導者や看護師との関わりです。実習では多くのことを教えてもらう立場にあるため、適切なマナーと積極的な学習姿勢を示すことが大切です。

報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の完全マスター
実習中は「報告・連絡・相談」が非常に重要です。これは看護現場での基本的なコミュニケーション方法でもあるため、実習中にしっかりと身につけておきましょう。
ホウレンソウ完全攻略ガイド | |||
---|---|---|---|
項目 | 基本ポイント | 具体例・フレーズ | タイミング |
📋 報告 |
• 結論から先に話す • 事実と主観を分ける • 5W1Hを意識する • 緊急度に応じて報告 |
「〇〇さんの体温が37.5℃でした」 「血圧は130/80で、患者さんは『少し息苦しい』とおっしゃっていました」 「△△時に検査が終了しました」 |
• 異常時:即座に • 定期的:決まった時間 • 処置後:実施直後 |
📞 連絡 |
• 情報共有を確実に行う • 変更事項はすぐに伝える • 関係者全員に伝える • 重要度を明確にする |
「患者さんが〇時に検査に行かれました」 「スケジュールが変更になりました」 「申し送り事項があります」 |
• 変更時:即座に • 申し送り前 • 勤務交代時 |
🤝 相談 |
• 分からないことは恥ずかしがらずに聞く • 自分なりに考えてから相談 • 適切なタイミングで相談 • 具体的に質問する |
「〇〇について教えていただけますか?」 「〇〇だと思うのですが、いかがでしょうか?」 「どのようにすれば良いでしょうか?」 |
• 忙しい時間を避ける • 処置前の確認時 • 振り返り時 |

効果的な質問の仕方とタイミング
効果的な質問をするためには、内容とタイミングの両方が重要です。適切な質問は学習効果を高め、指導者との関係も良好になります。
質問のタイミング×内容マトリックス | ||
---|---|---|
時間帯 | 適切な質問内容 | 具体的な質問例 |
朝の申し送り後 (8:30-9:00) |
• 1日の計画確認 • 患者さんの注意点 • 実習目標の確認 |
「今日の実習で特に注意すべき点はありますか?」 「〇〇さんの状態で気をつけることはありますか?」 |
ケア実施前 (処置の都度) |
• 手順の確認 • 注意事項 • 準備物の確認 |
「清拭の際に気をつけるべきポイントを教えてください」 「この手順で合っていますか?」 |
昼休み (12:00-13:00) |
• 午前中の振り返り • 午後の準備 • 一般的な看護知識 |
「午前中の対応で改善点があれば教えてください」 「〇〇の病気について詳しく教えていただけますか?」 |
実習終了前 (15:30-16:00) |
• 1日の総括 • 次回への課題 • 記録の書き方 |
「今日学んだことを記録にまとめる際のポイントは?」 「明日はどんなことを重点的に学べばよいでしょうか?」 |

メモの取り方とお礼の伝え方
📝 効果的なメモの取り方
✅ 良い例
- キーワードだけを記録
- 時間を記録(いつの情報かを明確に)
- 疑問点にマークをつける(?マークなど)
- 実習後にすぐ整理
❌ 避けるべき例
- 文章で長く書く
- メモに集中しすぎて話を聞かない
- 読めない字で書く
- 整理せずに放置
🙏 感謝の表現方法
💚 具体的な感謝
- 「〇〇について詳しく教えていただき、ありがとうございました」
- 「おかげで患者さんとうまくコミュニケーションが取れました」
💚 継続的な学習意欲
- 「今日学んだことを明日からの実習でも活かしていきたいと思います」
- 「次回はもっと上手にできるよう努力します」

質問力を高める5つのコツ
- 事前に考えをまとめる:「〇〇について、△△だと思うのですが、いかがでしょうか?」
- 具体的に聞く:「なんとなく分からない」ではなく、「〇〇の部分が分からない」
- タイミングを見極める:忙しくない時間を狙って声をかける
- 感謝を忘れない:教えてもらった後は必ずお礼を言う
- 実践して報告:「教えていただいた通りにやってみました」と報告する


パート5では、指導者や看護師とのコミュニケーションマナーについて詳しく学びました。報告・連絡・相談の技術、効果的な質問のタイミング、メモの取り方や感謝の表現方法まで、実践的な内容を表や図で整理しました。次のパート6では、実習記録への活用法と実習成功のまとめ、そして公式LINE誘導を含む総仕上げをお届けします!
実習記録に活かすコミュニケーション情報の整理法
実習で得たコミュニケーションに関する情報は、実習記録の重要な素材となります。患者さんとの会話や観察内容を効果的に記録に活用する方法を学びましょう。

SOAPを使った記録の整理方法
コミュニケーション情報のSOAP記録法 | |||
---|---|---|---|
項目 | 内容 | 記録例 | ポイント |
S 主観的情報 |
患者さんが直接話した内容 (発言・訴え・感情表現) |
「昨夜はよく眠れました」 「痛みも少し楽になった気がします」 「家族が心配していないか気になる」 |
• 「 」で囲む • 原則そのまま記録 • 感情も含める |
O 客観的情報 |
観察した事実 (表情・行動・様子) |
表情穏やか、声のトーンは明るい 眉間にしわを寄せ、ため息をつく様子 笑顔が見られ、積極的に会話に参加 |
• 事実のみ記録 • 推測は含めない • 具体的に記載 |
A アセスメント |
情報の分析・解釈 (原因・関連要因) |
睡眠確保により疼痛軽減、回復傾向 家族への心配による精神的ストレス コミュニケーションが精神的支援として有効 |
• 根拠を明確に • 看護の視点で分析 • 複数の可能性も考慮 |
P 計画 |
今後の看護計画 (具体的行動・評価方法) |
引き続き疼痛の経過観察を継続 家族との連絡機会を提案、不安軽減のための傾聴継続 継続的な関わりを通じて心理的サポートを提供 |
• 具体的に記載 • 実施可能な内容 • 評価方法も含める |

コミュニケーションから得た情報の活用例
💡 看護計画への活用例
項目 | 内容 |
---|---|
問題 | 家族への心配による不安 |
目標 | 患者が不安を表出でき、心配が軽減される |
計画 | 毎日15分程度の傾聴時間を設け、家族への想いを聞く |
評価 | 患者の表情や発言から不安の変化を観察 |

まとめ:基礎実習を成功させるための3つの心得
基礎看護学実習を通じて学ぶコミュニケーションは、これからの看護師人生の基盤となるものです。最後に、実習を成功させるための3つの心得を詳しく解説します。
1. 患者さん第一の姿勢
- 患者さんの体調や気持ちを最優先
- 自分の都合ではなく、患者さんのペースに合わせる
- 小さなことでも患者さんの役に立つことを見つける
- 常に患者さんの立場に立って考える
2. 積極的な学習態度
- 分からないことを恥ずかしがらずに質問
- 見学の機会があれば積極的に参加
- 毎日の振り返りを欠かさない
- 患者さんや指導者から学んだことを記録に残す
3. チームワークの重要性
- 同じ実習グループの仲間と情報を共有
- 困っている仲間がいたら声をかける
- 指導者や看護師の指示に素直に従う
- 自分だけでなく、チーム全体の成長を考える
🎯 実習成功のためのコミュニケーションチェックリスト


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🎊 最後に:あなたの実習が素晴らしいものになりますように
基礎看護学実習は、看護師としての第一歩を踏み出す大切な経験です。患者さんとのコミュニケーションを通じて、技術だけでは学べない「看護の心」を学ぶことができます。
この記事で紹介したコツを実践し、積極的な姿勢で実習に臨んでください。そして、一人で抱え込まずに、周りのサポートを積極的に活用することも忘れずに。
あなたの実習が素晴らしい学びの場となり、将来の看護師としての成長につながることを心から願っています。頑張って!
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