【看護学生必見】大腿骨近位部骨折と術後看護を国試で攻略!骨粗しょう症・術式・早期離床・脱臼予防まで
🩺 この記事でわかること
「大腿骨近位部骨折って、頸部とか転子部とか、名前がややこしい…」「術後の看護は、何を観察して、何に気をつければいいの?」
実習で高齢者の病棟に行くと、大腿骨近位部骨折(大腿骨頸部骨折・転子部骨折)の患者さんにかなりの確率で出会います。国試でも、骨折そのものより、「術後の看護」「合併症」「脱臼予防」の形でよく出題されます。
今回は、Nurse Path+のオンライン勉強会「筋骨格系②」の内容をもとに、骨粗しょう症から退院後の生活支援までを、1本の流れで整理しました。勉強会では、調べる → 答える → 解説で確認、のくり返しで進めました。そのやり取りを再現するので、一緒に参加している気分で読んでみてくださいね。
かず学長

大腿骨近位部骨折が高齢女性に多い理由は?エストロゲン低下と骨粗しょう症
勉強会のやり取り:骨粗しょう症は、なぜ起こる?
勉強会の最初に確認したのは、「骨粗しょう症って、何が原因で起こるんだっけ?」という問いです。まず、調べる時間を取りました。















骨は、骨を壊す細胞(破骨細胞)と、骨を作る細胞(骨芽細胞)のバランスで保たれています。加齢とともに、骨を作る力が弱くなります。さらに、女性の場合はここにエストロゲンが関わります。



骨とカルシウムを調整するしくみは、カルシトニンとパラソルモンの覚え方の記事でも整理しています。あわせて読んでみてください。
骨を守る・転ばない環境をつくる(二次骨折予防)
骨折を防ぐには、骨を守ることと、転ばない環境をつくることの両方が必要です。老年看護学実習に行く前に、ぜひ意識しておきたいところです。


| 区分 | 内容 | ひとこと |
|---|---|---|
| 骨を守る | カルシウム・ビタミンD・たんぱく質/運動/骨粗しょう症の治療を続ける | カルシウムだけでなく、ビタミンDとセットで |
| 転ばない環境 | 照明・段差・履物(スリッパなど)・手すりを確認 | 「考えればわかる」問題が意外と出る |
| ふらつきの原因 | 降圧薬・睡眠薬・抗不安薬・眠気の出る薬など。起立時の血圧低下にも注意 | 薬は自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談 |






ビタミンDは脂溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは尿に出やすい一方、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は体にたまりやすいという対比も、一緒に覚えておきましょう。不足すると、子どもではくる病につながります。
📝 ポイントまとめ
- 高齢者の骨折は 骨粗しょう症 → 転倒 → 骨折 の連鎖で考える
- 女性に多い理由は エストロゲン低下 → 破骨細胞が優位 → 骨量低下
- カルシウムは ビタミンD(脂溶性)と一緒だと吸収されやすい
- 二次骨折予防は 骨を守る + 転ばない環境 の両方から
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大腿骨近位部骨折は「頸部」と「転子部」で注意点が違う
骨折の場所で、起こりやすいトラブルが変わる
大腿骨の付け根(近位部)の骨折は、関節包の中で折れるか、外で折れるかで、注意するポイントが変わります。


| 比較項目 | 頸部骨折 | 転子部骨折 |
|---|---|---|
| 折れる場所 | 関節包の中(関節内)が多い | 関節包の外(関節外) |
| 注意すること | 骨頭への血流が途切れ、骨頭壊死・骨癒合不全のリスク | 周囲の筋肉・組織からの出血・貧血 |
| 覚え方 | 血流が途切れて、骨頭が「壊死」 | 外側は筋肉が多いので、「出血」 |



もう一つ、骨折の部位として注意したいのが骨盤と大腿骨です。この2つの骨折は出血量が多く、循環血液量減少性ショックのリスクがあります。勉強会でも、「出血のリスクが高い骨折はどこ?」という問いに、参加者が「骨盤骨折と大腿骨の骨折」と答え、「何ショックになる?」にも「循環血液量減少性ショック」と正しく答えていました。骨盤骨折が疑われるときは、むやみに動かさず、全身状態を観察します。
必修レベル:開放骨折と閉鎖骨折
もう一つ、必修問題で押さえておきたいのが、開放骨折と閉鎖骨折の違いです。
| 区分 | 内容 | 別の呼び方 |
|---|---|---|
| 開放骨折 | 皮膚に損傷があり、骨折部が外界と交通している | 複雑骨折 |
| 閉鎖骨折 | 骨折部が外界と交通していない | 単純骨折 |
⚠️ 「骨が飛び出している」だけが開放骨折ではない
開放骨折は、骨が見えるかどうかではなく、骨折部と外界がつながっているかで決まります。骨の露出がなくても、皮膚の傷から骨折部が外界と交通していれば開放骨折になり得ます。



転倒後の観察ポイントと画像検査(外旋・患肢短縮・X線・CT・MRI)
骨折を疑うサイン:足が外を向き、短く見える


高齢者が転倒したとき、観察したいポイントは次のとおりです。
| 観察項目 | 内容 |
|---|---|
| 疼痛・荷重困難 | 痛みで足に体重をかけられない |
| 外旋 | 骨折した側の足が、外へ向いてしまう(力が入らず「ベローン」と外に倒れる) |
| 患肢短縮 | 足の長さに左右差が出る(仰向けで両足をそろえて比べる) |
| 対応の原則 | 無理に動かさず、全身状態と患肢を観察する |






📝 ポイントまとめ
- 転倒後は 疼痛・荷重困難・外旋・患肢短縮 を観察する
- 典型所見がなくても 骨折は否定しない
- 骨盤・大腿骨の骨折は 出血とショック に注意
画像検査:X線 → CT → MRI
骨折の診断では、まずX線(レントゲン)を撮ります。ただ、X線では骨折線が見えにくいことがあります。そのときは、CTやMRIで詳しく調べます。
| 検査 | 使うもの | 特徴 |
|---|---|---|
| X線(レントゲン) | 放射線 | 一方向から撮る。被ばくがごく少量ある |
| CT | 放射線 | ぐるっと回って、立体的に見られる。被ばくがある |
| MRI | 強い磁場と電波 | 放射線は使わない(被ばくなし)。X線でわからない骨折も見つけやすい |






⚠️ MRIは体内金属を一律「不可」と決めつけない
体内金属や植込み機器があるときは、機種と条件を確認します。国試では「強い磁場を使う」「放射線は使わない」の対比で出題されます。
なぜ手術の方法が違う?骨接合術・人工骨頭置換術・人工股関節全置換術
大腿骨近位部骨折は、基本的に手術で治療します。ただ、頸部骨折でも全員が同じ手術になるわけではありません。骨折のタイプ、骨のずれ(転位)、年齢、普段の活動性などから、術式を選びます。


| 術式 | 内容 | ひとこと |
|---|---|---|
| 骨接合術 | 自分の骨を残して、ネジなどで固定する | 骨頭を温存できる場合に選ぶ |
| 人工骨頭置換術 | 大腿骨頭を人工物に置き換える | 臼蓋側(受け皿)は、自分の骨のまま |
| 人工股関節全置換術 | 骨頭と臼蓋側の両方を置き換える | 臼蓋側にも手を入れる |



📝 ポイントまとめ
- 頸部骨折でも 全員が同じ手術ではない(骨折型・転位・年齢・活動性で選ぶ)
- 骨接合術は骨を残す、人工骨頭置換術は骨頭を置き換える
- 看護の前に、骨折部位・術式・荷重・禁忌肢位を確認する
動けない時間が合併症を招く!術後の早期離床が大切な理由
安静が長いと起こる合併症
骨折で動けない時間が長くなると、さまざまな合併症が起こりやすくなります。特に高齢者ほど、悪循環が加速します。


| 合併症 | 看護のポイント |
|---|---|
| 褥瘡 | 除圧・皮膚の観察・体位調整 |
| 深部静脈血栓症(DVT) | 下肢の腫脹・疼痛・左右差を観察。疑ったら報告して診断につなげる |
| 肺炎・廃用症候群・せん妄 | 呼吸・口腔ケア・活動・見当識(時間や場所の認識)を支える |
⚠️ ホーマンズ徴候だけで、DVTを診断・除外しない
ホーマンズ徴候(足を伸ばして足首を上にそらすと、ふくらはぎが痛む)は、国試では手がかりとして出題されます。ただ、現在の臨床では、この徴候だけでDVTを診断することも、否定することもできません。疑ったら報告し、診察や超音波などの検査につなげます。突然の呼吸困難や胸痛は、肺塞栓の可能性があるので、すぐに報告します。



安全に進める早期離床:座位 → 立位 → 歩行


| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 開始前 | 全身状態・荷重の指示を確認し、鎮痛の効果をみて始める |
| 進め方 | 座位 → 立位 → 歩行。医学的な禁忌がなければ、術翌日からの離床を検討する |
| 観察 | 血圧・脈拍・めまい・疼痛 |
| かかわり | 不安を聴き、小さな成功体験を重ねる。無理に歩かせず、多職種で安全に進める |
🏥 臨床エピソード






⚠️ 痛いから動かさない、が正解ではない
痛みが強いからといって、動かさないのが正解ではありません。鎮痛を整えたうえで、状態と指示に合わせて、無理なく進めるのが基本です。「無理に歩かせる」のも「動かさない」のも、どちらも誤りです。
人工骨頭置換術後の脱臼予防は「術式」と「指示」で変わる
勉強会のやり取り:どんな姿勢だと脱臼しやすい?
勉強会では、「人工骨頭を入れた患者さんは、どんな姿勢をすると脱臼しやすかった?」と問いかけて、みんなで調べました。








| アプローチ | 注意する動き | 日常動作の例 |
|---|---|---|
| 後方アプローチ | 深い屈曲・内転・内旋が重なる動き | 低い椅子・前かがみ・足を組む・しゃがむ |
| 前方アプローチ | 伸展・外旋に注意する場合がある | 術者の指示で異なる |
⚠️ 全員に同じ禁忌肢位を当てはめない
脱臼しやすい動きは、手術のアプローチと術者の指示で変わります。国試では「内転・内旋・屈曲」を基本として押さえつつ、実際の現場では、この患者さんの術者指示とクリニカルパスを必ず確認します。






退院後の生活まで、看護をつなぐ(生活動作・自助具・住環境)
手術がうまくいっても、そこで終わりではありません。退院後の生活で、また転んだり、脱臼したりしないように支えるのも、看護の大事な役割です。


| 場面 | 支援のポイント |
|---|---|
| 座る・立つ | 座面の高さと手すりを調整する |
| 更衣・靴下 | 前かがみを減らし、自助具(ソックスエイドなど)を活用する |
| 住環境 | 段差・照明・浴室・トイレを確認する |
| 共有・継続 | 家族や多職種と介助方法を共有。骨粗しょう症の治療と転倒予防を続ける |



大腿骨近位部骨折の国試練習問題3問(解答・解説つき)
ここからは、今回の内容を確認する練習問題です。国試の形式に合わせて作ったオリジナル問題なので、まずは自分の答えを決めてから、解答・解説を開いてみてください。
💡 練習問題 1
大腿骨頸部骨折(関節包内の骨折)で、特に注意が必要な合併症として適切なのはどれか。
1. 骨頭への血流障害による骨頭壊死
2. 周囲の筋肉からの大量出血のみ
3. 末梢神経の再生不良のみ
4. 皮膚の過敏反応のみ
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
💡 練習問題 2
大腿骨近位部骨折の術後に、早期離床を進める目的として最も適切なのはどれか。
1. 患肢の筋力を落とすため
2. 褥瘡・深部静脈血栓症・肺炎・廃用症候群を予防するため
3. 鎮痛薬を不要にするため
4. 痛みを完全になくしてから始めるため
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
💡 練習問題 3
下肢の術後に深部静脈血栓症を疑ったときの対応として適切なのはどれか。
1. ホーマンズ徴候が陰性なら問題ないと判断する
2. 下肢の腫脹・疼痛・左右差を確認し、報告して診断につなげる
3. 血流をよくするためにふくらはぎをマッサージする
4. 次の観察の時間まで様子を見る
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
まとめ|大腿骨近位部骨折の国試対策は「連鎖」と「合併症の予防」が軸
今回の勉強会で扱った大腿骨近位部骨折は、骨粗しょう症 → 骨折 → 手術 → 合併症の予防 → 退院後の生活という流れでつながっていました。最後に、国試直前に確認したいポイントをまとめます。
📝 国試直前チェック
- 高齢女性に骨折が多いのは、エストロゲン低下 → 破骨細胞優位 → 骨粗しょう症
- 頸部骨折は骨頭壊死、転子部骨折は出血。骨盤・大腿骨の骨折はショックに注意
- 開放骨折は、外界と交通しているかどうかで決まる
- 転倒後は、疼痛・荷重困難・外旋・患肢短縮を観察。典型所見がなくても骨折を否定しない
- 術後は 褥瘡・DVT・肺炎・廃用症候群 を防ぐために、鎮痛を整えて早期離床
- 脱臼予防は、術式と術者指示で確認。後方なら内転・内旋・深い屈曲に注意
- DVTは、ホーマンズ徴候だけで診断・除外しない



【看護学生限定】大腿骨近位部骨折と術後看護を完全攻略するチャンス!
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