【看護学生必見】腎臓の国試問題を「選んだ理由」で攻略!腎不全・CKD・ネフローゼ
🩺 この記事でわかること
「腎臓の問題、答えはなんとなく選べるけれど、なぜその答えなのかと聞かれると説明できない…」
そんな経験はありませんか? 模試や過去問で、あと一歩ボーダーに届かない人ほど、実は「選んだ理由」を自分の言葉にするところで止まっていることが多いです。
今回は、Nurse Path+のオンライン勉強会で行った腎臓の国試問題の解説をもとに、急性腎不全・慢性腎不全・CKD(慢性腎臓病)・ネフローゼ症候群を「理由つき」で整理しました。勉強会のやり取りを再現しながら進めるので、一緒に解いている気分で読んでみてくださいね。
かず学長

国試の腎臓問題は「選んだ理由」を言えると点数が変わる
暗記で行けるところまでは行ける。その先に必要なこと
勉強会でも最初にお話ししたのが、国試まで半年を切った今の時期の勉強の仕方です。かず学長がこれまで学生さんを見てきた中では、模試の点数が伸び悩んだり、ギリギリでボーダーに届かなかったりする人は、自分の考えを言葉にして説明するところが弱い傾向があります。
暗記だけで取れる点数には限界があります。さらに上に伸ばすなら、「なぜこの選択肢を選んだのか」「なぜ他の選択肢を消したのか」を言語化する勉強が大切になります。



理由を言うための3ステップ
腎臓の問題に限らず、次の順番で考えると、選択肢を迷わず消せるようになります。
🗺️ 理由を言える3ステップ
この病気の原因は何?
体の中で何が起きている?
選択肢を1つずつ判断






まずは腎臓の復習:GFRと3つの役割
理由を考えるには、土台の知識が必要です。勉強会でも、前回の解剖・生理の復習から始めました。
| 腎臓の役割 | 内容 |
|---|---|
| ① 排泄 | 尿をつくって、老廃物や薬を体の外に出す |
| ② 調整 | 水分・電解質(ナトリウム・カリウムなど)・酸塩基平衡(pH)を整える |
| ③ 内分泌 | レニン(血圧)/エリスロポエチン(赤血球をつくる)/活性型ビタミンD(カルシウムの再吸収) |
腎臓の力を見る指標がGFR(糸球体ろ過量)です。一般に正常はおよそ90〜100が目安で、高齢の方や腎不全の患者さんでは50〜60、さらに40台まで下がっていきます。
📝 ここだけ押さえる
- 腎臓の仕事は排泄・調整・内分泌の3つ
- 内分泌の3つ=レニン/エリスロポエチン/活性型ビタミンD
- 腎臓の力はGFRで見る(下がるほど腎機能が低下)
腎臓が出すホルモンのしくみは、内分泌系ホルモン総まとめの記事でも整理しています。あわせて読んでみてください。
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急性腎不全の症状は「水がたまる」から考えると解ける
勉強会のやり取り:なぜ「起坐呼吸」になるの?
急性腎不全の症状を問う問題を、参加者の学生さんに「答え」と「理由」を聞きながら進めました。最初は「理由がうまく説明できない」という声も多かったので、かず学長が一緒に考えていきました。






ここからの流れを、図にするとこうなります。
💧 腎不全で「水がたまる」流れ
💡 ペットボトルのたとえ
500mLのペットボトルと、2Lのペットボトル。持ち上げるのが楽なのは500mLですよね。体の中の水が増えるというのは、心臓が2Lのペットボトルを持ち上げ続けているイメージです。だから心臓の負担が大きくなり、肺の循環も悪くなります。



急性腎不全は「どこが悪いか」で3つに分ける
勉強会では、前回の復習として急性腎不全の分類も確認しました。腎前性は、腎臓よりも「前」の問題、つまり循環の問題です。
| 分類 | どこが問題? | 例 |
|---|---|---|
| 腎前性 | 腎臓に届く血液が足りない(循環の問題) | 脱水・出血・心不全 など |
| 腎性 | 腎臓そのものの障害 | 糸球体腎炎・尿細管の障害 など |
| 腎後性 | 尿の通り道(尿路)の閉塞 | 結石・前立腺の肥大 など |


練習問題①:急性腎不全
💡 練習問題①
急性腎不全で尿量が減少している患者にみられやすい症状はどれか。
1. 起坐呼吸
2. 尿量の増加
3. 食欲の亢進
4. 体重の減少
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
慢性腎不全・CKDは「○×+理由」で選択肢を消していく
慢性腎不全の問題を1つずつ消してみよう
次は、慢性腎不全の説明で正しいものを選ぶタイプの問題です。勉強会では、「答え」だけでなく「他の選択肢をどうして消したか」を参加者に聞いていきました。






ポイントは、原因 → 病態 → 選択肢の順に見ていくことです。腎臓の機能(排泄・調整・内分泌)がどう落ちるかを考えると、各選択肢の○×がはっきりします。
| 選択肢(慢性腎不全) | ○× | 理由 |
|---|---|---|
| 高タンパク食が必要である | × | 糸球体に負担をかけてしまう。エネルギーを確保しつつ、タンパク質は制限する |
| 高カルシウム血症になる | × | 活性型ビタミンDが作れず、カルシウムを取り込めない → 低カルシウム血症(骨ももろくなる) |
| 最も多い原因は糖尿病性腎症である | ○ | 生活習慣病のうち、糖尿病が最も多い原因 |
| GFRは正常である | × | 腎機能が落ちるほど、GFRは低下する |
| 代謝性アシドーシスを起こしやすい | ○ | 老廃物や酸を排泄できず、体が酸性に傾く |
※表の選択肢は、勉強会で扱った内容をもとに、理解しやすいよう整理して書き直したものです。
慢性腎不全で起きる「3つの連鎖」
腎臓の内分泌・調整の機能が落ちると、次の3つが連鎖して病態をつくっていきます。
エリスロポエチンが減り、赤血球が作られにくくなる
活性型ビタミンDが減り、カルシウムを再吸収できない
酸を排泄できず、体が酸性に傾く



CKD(慢性腎臓病)の定義は「引っかけ」に注意
CKDの説明を問う問題は、迷った人がとても多い問題でした。勉強会では「4番か5番かで迷った」という声が目立ちました。


⚠️ CKDの定義の引っかけポイント
- 定義は、腎障害を示す所見(タンパク尿など)、または GFR低下(60未満)が3か月以上続くこと
- 2つの条件は「いずれか」。GFRの測定は診断の必須条件ではありません
- 「1週間続けば診断できる」は短すぎる(長い期間が必要)
- 糖尿病性腎症も、CKDに含まれます(合併症として起きる)
- 病気が進むにつれて、心血管疾患のリスクも高くなります
※たんぱく質制限は、病期が進んだステージ3(G3)あたりから必要になります。くわしい数値は、レビューブックのCKDの定義・診断基準のページで確認しておきましょう。



練習問題②:CKD
💡 練習問題②
慢性腎臓病(CKD)の説明で正しいのはどれか。
1. 診断にはGFRの測定が必須である。
2. 腎障害を示す所見が1週間続けば診断できる。
3. 糖尿病性腎症はCKDに含まれない。
4. 病期の進行とともに心血管疾患のリスクが高くなる。
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
透析導入の指標とネフローゼ症候群のむくみ
透析導入を判断する指標は「腎臓全体の働き」を見る
慢性腎不全で透析導入を判断するときの指標になる検査は、腎臓全体の機能を見るものです。腎臓で大切な機能を担っているのは糸球体なので、ろ過の力(GFR)を見ていきます。
| 検査 | 何を見る? |
|---|---|
| GFR(糸球体ろ過量) | 腎臓のろ過の力=腎臓全体の機能(透析導入の判断で重視) |
| 尿酸値 | 腎機能の指標としては別のもの |
| 点滴静注腎盂造影(DIP) | 腎臓や尿路の形を見る |
| PSP(15分値) | 腎臓への血の流れと、尿細管の排泄機能を見る |
ただし、実際の透析導入は、GFR(腎機能)だけで決めるわけではありません。尿毒症の症状・水分や電解質の異常・栄養状態・日常生活への影響なども合わせて、総合的に判断します。国試では「腎機能の指標はGFR」と覚えつつ、実習では総合的に見る視点も持っておきましょう。


むくみ(浮腫)の原因は「5つ」から考える
勉強会の最後に解いたのは、腎障害のある患者さんに見られる浮腫の原因を問う問題でした。まず、浮腫の原因を整理しておくと解きやすくなります。






💧 腎臓病でむくむ理由
アルブミンには、体の中に水を引き止める力があります。その力を「血漿膠質浸透圧」と呼びます。アルブミンが減ると水を血管内に保てなくなり、組織に漏れてむくみになります。


📝 ネフローゼ症候群の目安(補足)
- 成人では、尿蛋白が3.5g/日以上続き、血清アルブミンが3.0g/dL以下に低下するのが診断の目安です
- 大量のタンパク尿・低アルブミン血症により、浮腫や脂質異常症などの症状が出ます
練習問題③:ネフローゼ症候群のむくみ
💡 練習問題③
ネフローゼ症候群でみられる浮腫の主な原因はどれか。
1. リンパ管の閉塞
2. 血管透過性の亢進
3. 血漿膠質浸透圧の低下
4. 静脈圧の低下
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
まとめ:腎臓の国試問題は「理由を言える」ようにして得点につなげよう


📝 ポイントまとめ
- 国試の点数を上げるには、「選んだ理由」を言語化する練習が大切
- 考え方は原因 → 病態 → 選択肢を○×+理由で消すの3ステップ
- 急性腎不全は尿が出せない→水がたまる→心臓の負担→肺うっ血(起坐呼吸)
- 慢性腎不全は貧血・低カルシウム血症・代謝性アシドーシスの連鎖
- CKDは「いずれか」+3か月以上。GFRは必須ではない
- 腎臓病のむくみはアルブミンの低下 → 血漿膠質浸透圧の低下



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