【看護学生必見】母性看護ホルモンを国試問題付きで解説
📌 この記事でわかること
プロラクチン・オキシトシンの働き
乳房緊満と乳腺炎の見分け方
月経周期ホルモンの流れ
国試過去問にチャレンジ
看護学生の皆さん、こんにちは。Nurse Path+のかず学長です。今回は、僕が運営しているオンラインスクールの月例ZOOM勉強会で実際に行われた「母性看護学のホルモン」をテーマにした回の内容を、ブログ用にぎゅっとまとめてお届けします。
講師を務めてくれたのは、助産師を目指しながら現在は整形外科病棟で1年目として働いている、しおんさん。母性看護学が大好きという彼女が、プロラクチンとオキシトシンの違いから乳房緊満と乳腺炎の見分け方、月経周期ホルモンの流れまで、参加してくれた看護学生さんたちと一問一答形式でやり取りしながら丁寧に解説してくれました。
かず学長このブログでは、実際の勉強会で扱った内容に加えて、国試の過去問も交えながら解説していきます。勉強会の空気感もそのままお届けできたらと思うので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
プロラクチンとオキシトシン|母乳育児を支える2大ホルモン





もえさんの悩み、すごくよく分かります。この2つはどちらも母乳に関わるホルモンなので混同しやすいのですが、「作る」ホルモンか「出す」ホルモンかで整理すると一気にわかりやすくなります。
プロラクチンの働きと分泌の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分泌部位 | 下垂体前葉 |
| 働き | 母乳を「作る」 |
| 作用部位 | 乳腺の腺房細胞 |
| 分泌のピーク | 産後が最大 |
| 妊娠中の状態 | 胎盤由来のプロゲステロンがブレーキをかけて分泌を抑制 |
妊娠中もプロラクチン自体は分泌されていますが、母乳は出ません。これは、胎盤から出るプロゲステロンが「まだ赤ちゃんはお腹の中にいるから母乳は必要ないよ」とブレーキをかけているためです。分娩によって胎盤が娩出されるとプロゲステロンが急激に減少し、プロラクチンの作用が解放されて、本格的に母乳が作られ始めます。



オキシトシンの働きと「幸せホルモン」の秘密


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分泌部位 | 下垂体後葉 |
| 働き | 母乳を「出す」(射乳反射)+子宮収縮 |
| 作用部位 | 乳腺の筋上皮細胞・子宮平滑筋 |
| 分泌が高まる条件 | 副交感神経優位(リラックス状態) |
オキシトシンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、副交感神経が優位なリラックス状態のときに分泌が高まります。夜間に陣痛が始まりやすいのは、就寝時に体がリラックスして副交感神経が優位になるためだと考えられています。授乳がうまくいかないときや、陣痛が来院後に遠のいてしまったときには、足湯・水中分娩・アロマなどでリラックスを促し、副交感神経を優位にするケアが効果的です。
🏥 臨床エピソード



切迫早産のように子宮収縮を「抑えたい」場面では、オキシトシンとは逆に交感神経を刺激する子宮収縮抑制剤(リトドリン塩酸塩など)が用いられます。交感神経優位というのは、いわば体が「戦闘モード」に入っている状態なので、動悸や振戦といった副作用が現れやすいのが特徴です。
⚠️ 注意点
子宮収縮抑制剤(リトドリン塩酸塩など)は交感神経を刺激するため、動悸・振戦が主な副作用です。実習で受け持ち患者さんがこの薬剤を使用している場合は、脈拍やバイタルサインの変化、自覚症状の有無を必ずチェックしましょう。
乳房緊満と乳腺炎の違いを見分けよう





この2つを見分けるカギは「良側性(両側性)」か「変則性(片側性)」かです。ホルモンの作用によるものか、うっ滞による炎症かという原因の違いが、そのまま症状の出方の違いになります。
| 比較項目 | 🍼 乳房緊満 | 🔥 乳腺炎 |
|---|---|---|
| 原因 | プロラクチンなどのホルモン作用 | 乳汁うっ滞をきっかけとした炎症 |
| 左右差 | 良側性(両側に起こる) | 変則性(片側に多い) |
| 主な症状 | 乳房の張りと硬結 | 発熱・熱感・疼痛 |
| 発熱 | 基本的になし | あり |
| 好発時期 | 産後0〜4日目ごろ | 授乳中いつでも(産後2〜3週に多い) |



月経周期とホルモンの流れをマスターしよう


月経周期ホルモンは名前が多くて混乱しがちですが、「妊娠の準備をするための一連の流れ」として順番で覚えると驚くほど整理されます。
卵胞期〜排卵まで(GnRH→FSH→エストロゲン→LH)
| 排卵までのホルモンの流れ | ||
|---|---|---|
| ① GnRH | 視床下部から分泌 | 下垂体前葉に「FSHを出せ」と指令 |
| ↓ | ||
| ② FSH | 下垂体前葉から分泌 | 卵巣に作用し、卵胞(原始→一次→二次→成熟)を成長させる |
| ↓ | ||
| ③ エストロゲン | 成熟卵胞から分泌(最大量) | ポジティブフィードバックでGnRHを再放出させる |
| ↓ | ||
| ④ LHサージ | 下垂体前葉から急上昇 | 成熟卵胞の排卵を促す |
視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が下垂体前葉に「FSHを出せ」と指令を出します。FSHは卵巣に作用し、原始卵胞→一次卵胞→二次卵胞→成熟卵胞へと卵胞の成長を助けます。成熟に伴って卵胞からのエストロゲン分泌が増加し、最も成熟した卵胞が最大量のエストロゲンを分泌します。このエストロゲンがポジティブフィードバックを起こして再びGnRHが放出され、今度は下垂体前葉に「LHを出せ」と指令が出ます。LHが急上昇するのが「LHサージ」で、これが成熟卵胞の排卵を促します。



排卵後〜妊娠成立まで(黄体→プロゲステロン→基礎体温の変化)


排卵後、卵子が飛び出した後の卵胞は黄体へと変化し、プロゲステロンを分泌するようになります。子宮内膜側から見ると、エストロゲンが内膜の細胞を増殖させる時期を「増殖期」、その上にプロゲステロンがグリコーゲンを分泌させて着床の準備を整える時期を「分泌期」と呼びます。
| 卵巣側 | 子宮内膜側 | 優位なホルモン | 基礎体温 |
|---|---|---|---|
| 卵胞期 | 増殖期 | エストロゲン | 低温相 |
| 黄体期 | 分泌期 | プロゲステロン | 高温相 |
周期の中でのエストロゲン・プロゲステロン分泌量の推移(イメージ)
| 卵胞期前半 |
エストロゲン:低
|
| 排卵直前 |
エストロゲン:最高値
|
| 排卵直後 |
プロゲステロン:上昇開始
|
| 黄体期後半 |
プロゲステロン:高値
|
※厳密な測定値ではなく、分泌量の相対的なイメージを示したものです。



受精卵が来なければ、この「お布団」となった子宮内膜は不要になり、剥がれ落ちて排出されます。これが月経です。一方、妊娠が成立すると子宮内膜は剥がれず、月経は起こりません。また、通常なら白体化していく黄体も、妊娠が成立した場合は白体化せずにそのまま維持され、プロゲステロンを分泌し続けます。
💡 特別なポイント
グラフ問題が出たときは「今どのホルモンが上昇・下降しているか」だけでなく、「それは卵胞期か黄体期か」「そのとき基礎体温はどちらか」までセットで読み取れると、正答率がぐっと上がります。
国試問題にチャレンジ!母性ホルモン編


ここまでの内容を踏まえて、実際に勉強会でも扱った過去問にチャレンジしてみましょう。自分の答えを決めてから解答・解説を開いてくださいね。
💡 練習問題1
児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。
①オキシトシン ②プロラクチン ③テストステロン ④プロゲステロン
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
💡 練習問題2
月経とホルモンについて正しいのはどれか。
①増殖期は基礎体温が上昇する ②プロラクチンによって排卵が起こる ③プロゲステロンは子宮内膜の増殖を促進する ④排卵直前に黄体形成ホルモンが高くなる
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
今回の勉強会のまとめ


📝 ポイントまとめ
- プロラクチン=下垂体前葉から母乳を「作る」、オキシトシン=下垂体後葉から母乳を「出す」+子宮収縮
- 乳房緊満は良側性でホルモン性、乳腺炎は変則性でうっ滞による炎症
- 月経周期は「GnRH→FSH→エストロゲン→LH→プロゲステロン」の順番で流れる一連のストーリー
- 分泌期(黄体期)は基礎体温が高温相になる



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