【看護学生必見】プロセスレコードの書き方4つのコツ
実習中に「プロセスレコードを書いてきてください」と言われて、何をどう書けばいいのか手が止まってしまった経験はありませんか?特に精神看護学実習で必ずと言っていいほど登場するこの記録は、書き方のコツを知らないまま取り組むと、ものすごく時間がかかってしまいます。
この記事では、プロセスレコードの目的から、4つの基本項目の書き方、分析・振り返りのコツ、そしてよくある失敗パターンまで、実習現場での指導経験をもとにわかりやすく解説していきます。
かず学長プロセスレコードとは?看護学生が書く目的を理解しよう


プロセスレコードとは、患者さんとのやり取りの場面を「言動」と「自分の内面(感情・考え)」に分けて振り返り、自分自身のコミュニケーションの傾向に気づくための記録方法です。もともとは精神科看護理論家ペプロウの対人関係論をベースにしており、精神看護学実習を中心に多くの学校で課題として出されています。
主な実施科目
精神看護学実習
記載する基本項目
4項目
主な目的
自己覚知
プロセスレコードを書く目的


プロセスレコードを書く一番の目的は「患者さんの分析」ではなく「自分自身の分析」です。患者さんの言葉に対して、なぜ自分はそう感じたのか、なぜその言葉を返したのかを振り返ることで、無意識のクセや思い込みに気づくことができます。
🔎
自分のコミュニケーションのクセや傾向に気づく
🧭
感情に流されず、根拠を持った対応ができるようになる
🤝
患者さんとの関係性を客観的に見つめ直す
🌱
次回のかかわりに活かせる具体的な改善点を見つける



どんな場面で使われる?


プロセスレコードは、患者さんとの何気ない会話や、ケアの最中に交わした一言など、「あれ、なんでこう感じたんやろう」と印象に残った場面を選んで作成します。うまくいった場面だけでなく、気まずくなってしまった場面や、返答に詰まってしまった場面こそ、学びの多い題材になります。



結論から言うと、うまくいかなかった場面の方がおすすめです。なぜなら、そこには「なぜそう感じたのか」「なぜその言葉しか出てこなかったのか」を深く分析できる材料がたくさん詰まっているからです。
通常の看護記録との違い


「実習記録ならもう毎日書いているのに、なぜ別でプロセスレコードまで書く必要があるの?」と感じる人も多いと思います。通常の看護記録は、患者さんの状態やケアの内容を客観的に記録し、他のスタッフと情報共有するためのものです。一方でプロセスレコードは、共有目的ではなく、あくまで自分自身の学びのための記録という点が大きく異なります。
そのため、看護記録では表に出さないような「戸惑い」「気まずさ」「言葉に詰まった瞬間」なども、プロセスレコードでは大切な分析材料として積極的に書き残していきます。この違いを理解しておくと、何を書けばいいのか迷いにくくなります。
プロセスレコードの書き方|基本の4項目を徹底解説








プロセスレコードは基本的に以下の4つの項目に分けて記載します。
| 項目 | 記載内容 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| ①場面の状況 | いつ・どこで・誰が・何をしていたか | 5W1Hを意識して客観的に書く |
| ②患者さんの言動 | 患者さんが実際に言った言葉・行動 | 解釈を入れず、聞こえたまま・見えたままを書く |
| ③感じたこと・考えたこと | その瞬間に自分の心の中に浮かんだこと | きれいごとにせず、正直な感情を書く |
| ④自分の言動 | 実際に自分が返した言葉・行動 | ③で感じたこととのズレがないか確認する |
特に②と③の違いを整理すると、②は患者さんから見えた・聞こえた事実、③はそれに対して自分の心の中で起きたことです。②に自分の解釈を混ぜてしまうと、事実と感情がごちゃまぜになり、後から振り返ったときに何が起きていたのか分からなくなってしまいます。
⚠️ 注意点
②「患者さんの言動」の欄に「患者さんは不安そうだった」のような自分の解釈を書いてしまうのはNGです。「不安そうだった」と感じたのであれば、それは③「感じたこと・考えたこと」に書きましょう。②にはあくまで実際に見聞きした事実だけを記載するのがポイントです。
プロセスレコードの分析・振り返りのコツ【実例つき】


4項目を書き終えたら、次は「なぜ自分はこう感じ、こう返したのか」を分析していく段階に入ります。ここでは分析の進め方を4つのステップに分けて紹介します。
分析の4ステップ
場面を思い出す
できるだけ会話に近い形で、当時のやり取りを思い出しながら書き起こす
感情の理由を掘り下げる
「なぜそう感じたのか」を自分自身に問いかけ、背景にある考え方のクセを探す
言動とのズレを確認する
③で感じたことと④の実際の対応が一致していたか、それともズレていたかを見る
次への改善点を言語化する
今回の気づきをもとに、次はどう対応したいかを具体的な言葉にまとめる
良い例とNG例を比較してみよう
❌ NG例
③感じたこと:「特に何も感じなかった」
④自分の言動:「そうなんですね、とだけ返した」
→ 感情が浅く、分析ができない
✅ 良い例
③感じたこと:「どう答えたら傷つけないか不安になった」
④自分の言動:「言葉に詰まり、話題を変えてしまった」
→ 感情と行動のズレに気づける
🏥 臨床エピソード



このような場面に出会ったとき、とっさに「大丈夫ですよ」と励ましてしまいたくなりますが、その言葉の裏で自分がどんな感情を抱いていたのかを丁寧に振り返ることが、プロセスレコードの本当の学びにつながります。
学生がつまずきやすいポイント


実際にプロセスレコードの添削をしていると、学生さんがつまずくポイントにはある程度の傾向があります。
ポイント
感情の言語化 40%
場面の想起 30%
分析・考察 20%
その他 10%
項目別にもう少し詳しく見てみましょう。
| 感情の言語化 |
40%
|
| 場面の想起 |
30%
|
| 分析・考察 |
20%
|
| その他 |
10%
|
※かず学長のこれまでの個別指導経験をもとにした傾向の目安



プロセスレコードの記入例(サンプル)
ここまでの内容を踏まえて、実際の記入イメージを見てみましょう。以下は病室での会話をもとにした記入例です。
| 項目 | 記入内容(例) |
|---|---|
| ①場面の状況 | 午後の検温時、Aさんの病室で。窓際のベッドに座っていたAさんに声をかけた場面。 |
| ②患者さんの言動 | 「今日は家族が誰も来てくれへんかったわ」と、窓の外を見ながら小さな声で言った。 |
| ③感じたこと・考えたこと | どう答えたら傷つけてしまわないか不安になった。安易に「大丈夫ですよ」と言うのは違う気がした。 |
| ④自分の言動 | 「寂しい気持ちになりますよね」と伝え、しばらく隣に座って話を聞いた。 |
この例では、③で「安易に励ましたくない」と感じたことが、④の「話を聞く」という対応に自然につながっています。このように③の感情と④の行動がどうつながっているかを確認することが、分析の大きな手がかりになります。反対に、感じたことと実際の行動が食い違っている場合は、そこにこそ自分自身の課題が隠れていることが多いです。
💡 特別なポイント
プロセスレコードは「正解」を探す記録ではありません。同じ場面でも、書く人によって感じ方や振り返りの内容は変わって当然です。大切なのは、自分の言葉で正直に振り返れているかどうかという点です。
プロセスレコードを書く際の注意点とまとめ


書く際に気をつけたい注意点
1
患者さんの個人情報は記載せず、記号や仮名で表現する
2
②の欄に解釈や感想を混ぜない(事実のみを書く)
3
③の感情は正直に、きれいごとにしすぎない
4
一つの場面に絞り、複数の会話を詰め込みすぎない
5
提出前に指導者・教員に見てもらい、客観的な視点を取り入れる






📝 ポイントまとめ
- プロセスレコードは患者さんではなく「自分」を分析するための記録
- ①場面②言動③感情④自分の言動の4項目に分けて書く
- ②には事実のみ、③には正直な感情を記載する
- 分析は「思い出す→掘り下げる→ズレを確認→改善点を言語化」の4ステップ
- 感情を取り繕わず、素直に書くことが一番の学びにつながる



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