【看護学生必見】筋骨格系の国試問題を厳選解説!骨折・人工骨頭置換術後の脱臼予防・関節リウマチ

🩺 この記事でわかること

🦴 高齢者の骨折で「いちばん多い部位」とその覚え方
🔄 人工骨頭置換術後の脱臼予防(内転・内旋・深い屈曲)
🩺 腓骨神経麻痺とDVTの観察ポイントの違い
📝 国試の練習問題3問(解説つき)

「筋骨格系って、疾患が多くて苦手…」「骨折の看護は覚えることが多すぎて、どこから手をつければいいか分からない」

そんな声が、勉強会でもたくさん聞かれました。ただ、筋骨格系は国試での出題範囲が比較的せまい分野です。「出るところ」は決まっているので、押さえるべきところを押さえれば、点数にしやすい分野でもあります。

今回は、Nurse Path+のオンライン勉強会で解いた筋骨格系の国試問題をもとに、高齢者の骨折・人工骨頭置換術後の脱臼予防・術後の観察・関節リウマチ・退院支援を、「なぜ出る?」「なぜこの解説?」まで整理しました。勉強会のやり取りを再現しながら進めるので、一緒に解いている気分で読んでみてくださいね。

かず学長
今回は筋骨格系を、骨折から退院支援まで1本の流れでつなげて解いていくで!バラバラに覚えるより、ストーリーで覚えたほうがめっちゃ楽やからな。最後までついてきてな!
筋骨格系の国試問題マップ(初級・中級・上級)

勉強会では、初級→中級→上級の順に問題を解きました。骨折 → 合併症 → 関節疾患 → 生活支援という流れで、1本のストーリーとしてつなげて覚えていきます。

SECTION 01
目次

筋骨格系の国試対策は高齢者の骨折から!いちばん多いのは大腿骨

勉強会のやり取り:高齢者の骨折でいちばん多い部位は?

初級編は、第100回午前23問。「高齢者の転倒による骨折で最も多い部位はどれか」という必修レベルの問題です(正解は大腿骨)。参加者の学生さんに、答えと理由を聞いていきました。

学生 もえ
大腿骨を選びました。でも、ほかにどんな部位が多いのかは、すぐには思い出せませんでした…。
かず学長
それでええんやで!答えは分かっても、ほかが出てこおへんのはよくあることや。こういう時は、レビューブックで調べるクセをつけような。老年期のところに、高齢者に多い骨折がまとまってるで!
高齢者の骨折:いちばん多いのは大腿骨(大腿骨頚部・脊椎椎体・上腕骨近位部・橈骨遠位端)

高齢者に多い骨折は「転び方」とセットで覚える

高齢者に多い代表的な骨折は、次のとおりです。転び方のイメージとセットで覚えると、国試でも実習でも思い出しやすくなります。

骨折の部位 転び方のイメージ ひとこと
大腿骨頚部 尻もちをついたとき いちばん多い。人工骨頭置換術につながる
脊椎椎体(脊椎圧迫骨折) 腰をついたとき 背骨が「ぎゅん」とつぶれる
橈骨遠位端 手をついたとき 手首の骨折
上腕骨近位部 肩から転んだとき 肩の近くの骨折

勉強会では、肋骨の骨折も意外と多いと補足がありました。覚え方は「尻・腰・手・肩」。まずは大腿骨頚部骨折を軸にしましょう。

📝 ポイントまとめ

  • 高齢者の転倒骨折でいちばん多いのは大腿骨(頚部)
  • 覚え方は「尻・腰・手・肩」。転び方とセットで
  • 背景は骨粗しょう症(骨の脆弱化)+筋力低下+転倒
  • 実習の高齢者の病棟でも、大腿骨頚部骨折の患者さんに当たりやすい
かず学長
ここが筋骨格系の入り口やで。高齢者の転倒では、まず大腿骨頚部骨折!これを軸に、次の手術後の看護につなげていくで!

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SECTION 02

人工骨頭置換術後の脱臼予防は「内転・内旋・深い屈曲」を避ける

まず関節の動きを体で覚える

脱臼予防を理解するには、関節の動きの言葉が前提になります。勉強会でも、実際に体を動かしながら確認しました。

関節の動き:屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋
関節の動き 意味 覚え方
屈曲 ⇔ 伸展 曲げる ⇔ 伸ばす 股関節なら、ひざを胸に近づける ⇔ 後ろへ伸ばす
外転 ⇔ 内転 体の中心から離す ⇔ 近づける 「転」は水平に動かす。足を組むのは内転
外旋 ⇔ 内旋 外へ回す ⇔ 内へ回す 「旋」は回す動き。つま先を内に向けるのは内旋
背屈 ⇔ 底屈(足首) つま先を反らす ⇔ 下ろす 足首だけは名前が特別
かず学長
『転』は横に動かす、『旋』は回す、って覚えるとええで!ほんで、自分の足で必ずやってみてな。足を組む…これが内転や。つま先を内側に倒す…これが内旋やで。

ちなみに、関節の動きと筋肉の働きは別ものです。分けて考えるのが国試のコツです。

人工骨頭置換術後に避ける動きと、生活動作への置き換え

流れで整理すると、骨粗しょう症 → 転倒 → 大腿骨頚部骨折 → 人工骨頭置換術 → 術後の看護・生活指導です。国試で押さえる脱臼リスクの動きは、内転・内旋・深い屈曲。これを生活動作に置き換えると、次のようになります。

人工骨頭置換術後の脱臼予防:避ける動きと臥床時の外転中間位
場面 避ける動き 関節の動きで言うと
椅子に座るとき 足を組む 内転(・内旋)
床の物を拾うとき しゃがむ 深い屈曲
座面が低い椅子に座るとき 低い椅子に深く座る 深い屈曲
ベッドで寝ているとき 足を内側に倒す 臥床時は外転中間位を保つ

第102回午前66問(術後の看護)は、臥床時は外転中間位を保つが正解(正解4)。第110回午後47問(脱臼予防の生活指導)も、正解は2で、体をひねらないなど脱臼につながる動きを避ける内容でした。

学生 かまだ
安静にしていたほうが、脱臼しなくて安全なのではないですか?
かず学長
そこがひっかけやねん!骨折の手術のあとは、翌日から立って体重をかけることも多いんやで。1週間寝たきりやと、筋力が落ちて足も固まってまうからな。避けるのは『動かすこと』やなくて、内転・内旋・深い屈曲っていう“特定の動き”やで!

🏥 臨床エピソード

患者さん
手術の次の日に立つなんて、怖くて…。本当に大丈夫なんでしょうか。
かず学長
その不安、ようわかるで。でもな、早めに動くことが回復にも合併症の予防にも大事なんや。看護師さんが一緒におるから、動き方を確認しながらゆっくりいこな。

⚠️ 注意点

脱臼しやすい動きは、手術のアプローチ(術式)や医師の指示によって変わることがあります。国試では「内転・内旋・深い屈曲」を押さえつつ、実際の現場では必ず術式・医師の指示を優先してください。

SECTION 03

術後の観察は「腓骨神経麻痺」と「DVT」を分けて考える

腓骨神経麻痺は「外旋位の圧迫」で起こる

第98回午前71問は、腓骨神経麻痺を予防するための看護を問う問題でした。正解は「母趾と第2趾の間のしびれの有無を確認する」(正解4)です。勉強会では、答えが分かれました。

学生 もえ
弾性ストッキングのような圧迫の器具で、血流をよくするのが予防かなと思いました…。
かず学長
それはDVT、深部静脈血栓の予防やな!腓骨神経麻痺は、足が外旋位のまま長く寝てると、腓骨頭の周りで神経が圧迫されて起こるんや。やから『外旋位にしない』のと『しびれを観察する』のが大事やで。
術後の観察:腓骨神経麻痺とDVT

DVTは「予防」と「早期発見」。ホーマンズ徴候の落とし穴

DVT(深部静脈血栓症)の予防は、早期離床・間欠的空気圧迫・弾性ストッキング(リスクに応じて使用)です。第113回午前91問では、術後に最も注意すべき所見としてホーマンズ徴候(足首を背屈するとふくらはぎが痛い)が正解(正解3)でした。

⚠️ 臨床では「ホーマンズ徴候だけ」で決めない

ホーマンズ徴候は国試の手がかりとして出題されますが、現在の臨床では、この徴候だけでDVTを診断することはできません。症状やリスクの評価に加えて、超音波などの検査で確認します。

比較項目 腓骨神経麻痺 DVT(深部静脈血栓症)
起こる原因 外旋位などによる腓骨頭周囲の圧迫 術後の安静などで血流がうっ滞し、静脈に血栓ができる
観察するサイン 母趾と第2趾の間のしびれ・足背の感覚・足関節や足趾の動き ふくらはぎの痛み・腫れ、ホーマンズ徴候(国試)
予防とケア 外旋位を避ける体位の工夫+しびれの観察 早期離床・間欠的空気圧迫・弾性ストッキング
かず学長
名前が似てる徴候も出るから、整理しとくで!ホーマンズは足首の背屈でふくらはぎが痛い。ロンベルグは目を閉じて両足をそろえて立つと揺れる。ブルンベルグは腹膜刺激症状や。名前は似てるけど、全部別もんやで!
SECTION 04

閉経後に骨粗しょう症が増えるのはエストロゲン低下が原因

勉強会のやり取り:男性と女性、どちらがなりやすい?

かず学長
骨粗しょう症は、男性と女性、どっちがなりやすいやろ?ホルモンのバランスを見ながら考えてみてな。
学生 もえ
女性のほうだと思います。閉経後にエストロゲンが減るからです。
かず学長
ええな!ほな、なんでエストロゲンが減ると骨粗しょう症になるん?そこまで言えたら満点やで!
閉経後に骨粗しょう症が増える流れ:エストロゲン低下から骨折リスク上昇まで

骨は、骨を壊す働き(破骨細胞)と骨を作る働きのバランスで保たれています。エストロゲンは、骨を壊す側を抑える役割があります。閉経でエストロゲンが減ると、壊す側が強くなって、骨量が減っていきます。

1閉経 エストロゲンの分泌が減る
2エストロゲン低下 骨を壊す働きにブレーキをかけにくくなる
3骨吸収が進む 骨を壊す働き > 骨を作る働き
4骨量低下 骨粗しょう症の状態に
5骨折リスク上昇 転倒で大腿骨頚部などが折れやすくなる
かず学長
エストロゲンは骨だけやなくて、血管のしなやかさや髪のつやにも関わってるんやで。女性にとって、ほんまに大事なホルモンやな。

骨とカルシウムの調整のしくみは、カルシトニンとパラソルモンの覚え方の記事でも整理しています。あわせて読んでみてください。

SECTION 05

関節リウマチの炎症は「骨膜」ではなく「滑膜」

勉強会のやり取り:関節リウマチで炎症が起こる場所は?

中級編の第103回午後34問は、関節リウマチで起こる主な炎症を問う問題です。正解は滑膜炎(正解1)。勉強会では、参加者のみなさんが全員正解でした。

学生 もえ
関節リウマチは滑膜炎だと覚えていました。
かず学長
みんな知っとったな、すごいで!ここは『骨膜炎』やなくて『滑膜炎』や。関節の内側の膜に炎症が起こるんやで。
関節リウマチ:炎症はどこ?正解は滑膜炎
項目 内容
しくみ 自己免疫反応により、関節の内側の膜(滑膜)に炎症が起こる
かかりやすい人 女性に多い(〜50代)
症状 朝のこわばり・関節痛・腫れ・倦怠感・発熱
代表的な変形 スワンネック変形・ボタン穴変形・尺側偏位
かず学長
自己免疫疾患は、ほんまに女性が多いんや。シェーグレン症候群やSLEもそうやで。体を守るはずの白血球が、自分の関節に炎症を起こしてまうんやな。常に炎症が起きてるから、だるさや熱も出るで。

筋骨格系は「骨折だけ」ではありません。関節リウマチも国試でくり返し出題されるので、必ず押さえましょう。

SECTION 06

退院後支援は「安静にしすぎない・無理をさせない」で選ぶ

上級編では、退院後の生活指導と福祉用具を扱いました。第101回午前108問(腰椎圧迫骨折で退院する高齢女性)の正解は「散歩の再開と継続」(正解2)。第108回午前58問(福祉用具)の正解は歩行器(正解2)でした。

退院後支援:安静にしすぎない・無理をさせない・歩行器
かず学長
高齢者の骨折のあとは、安静にさせすぎへん。でも、無理もさせへん。この“ちょうどええ塩梅”が答えになることが多いで!退院後は元の生活へ、段階的に戻していくんや。

⚠️ 福祉用具の制度は最新情報を確認

2024年4月から、歩行器(歩行車を除く)などの一部は、貸与と販売を選べる仕組みになりました。国試の過去問では当時の制度で出題されているため、制度は改定される前提で、最新の情報を確認する習慣をつけましょう。要介護度と、対象になる福祉用具はセットで確認しておくのがコツです。

SECTION 07

筋骨格系の国試練習問題3問(解答・解説つき)

ここからは、今回の内容を確認する練習問題です。国試の形式に合わせて作ったオリジナル問題なので、まずは自分の答えを決めてから、解答・解説を開いてみてください。

💡 練習問題 1

大腿骨頚部骨折で人工骨頭置換術を受けた患者への、脱臼予防の指導として適切なのはどれか。

1. 足を組んで椅子に座るようにすすめる
2. 床に落ちた物は、しゃがんで拾うようにすすめる
3. 低い椅子に深く腰かけて靴下を履くようにすすめる
4. 高さのある椅子に座り、股関節を深く曲げすぎないよう指導する

まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。

👉 解答・解説を見る(タップで開く)

【正解】4

かず学長
脱臼しやすいのは、内転・内旋・深い屈曲やったな!1の足を組むのは内転、2のしゃがむのと3の低い椅子に深く座るのは深い屈曲やで。やから、股関節を深く曲げすぎへんように指導する4が正解や。ただし、実際は術式や医師の指示を確認するのを忘れんようにな!

💡 練習問題 2

関節リウマチの特徴として適切なのはどれか。

1. 男性に多い
2. こわばりは夕方に最も強くなる
3. 起床時に関節のこわばりがみられる
4. 関節の変形は発症した直後から必ず出現する

まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。

👉 解答・解説を見る(タップで開く)

【正解】3

かず学長
関節リウマチは自己免疫の病気で、女性に多いんやったな。特徴的なのは『朝のこわばり』や!やから3が正解やで。変形は、進行してから出てくるものやから、4は『必ず直後から』が違うで。

💡 練習問題 3

下肢の手術後、腓骨神経麻痺の早期発見のために観察する項目として適切なのはどれか。

1. 足背動脈の触知のみ
2. 母趾と第2趾の間のしびれと、足背の感覚
3. ふくらはぎの発赤のみ
4. 足底の熱感のみ

まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。

👉 解答・解説を見る(タップで開く)

【正解】2

かず学長
腓骨神経麻痺は、外旋位の圧迫で起こるんやったな。観察するのは、母趾と第2趾の間のしびれ、足背の感覚、足関節や足趾の動きや!やから2が正解や。3のふくらはぎの発赤や痛みは、DVTのほうのサインやで。
SECTION 08

まとめ|筋骨格系の国試対策は「転倒・脱臼・血栓を防ぐ」が軸

今回の勉強会で扱った筋骨格系は、骨折 → 合併症 → 関節疾患 → 生活支援という流れでつながっていました。最後に、国試直前に確認したいポイントをまとめます。

筋骨格系の国試直前チェック:これだけは押さえたい6つのポイント

📝 国試直前チェック

  • 高齢者の転倒骨折は、まず大腿骨(頚部)
  • 人工骨頭置換術後は、内転・内旋・深い屈曲を避ける(臥床時は外転中間位)
  • 腓骨神経麻痺は、母趾と第2趾の間のしびれを観察する
  • DVTは予防と早期発見。ホーマンズ徴候だけで確定しない
  • 関節リウマチは自己免疫・滑膜炎・朝のこわばり
  • 閉経後はエストロゲン低下 → 骨量低下
かず学長
迷ったら、まず『転倒・脱臼・血栓を防ぐ』や!この3つが筋骨格系の看護の軸やで。わからん時は、調べて、言葉にして、解説で答え合わせ。これを続けたら、絶対に力がつくで!

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