【看護学生必見】母性看護の国試対策!母乳・分娩・産褥・新生児を厳選問題で解説
📖 この記事でわかること
「母性看護は範囲が広くて、何から覚えたらいいか分からない…」「覚えたはずなのに、問題になると選べない」。そんな悩みを持つ看護学生さんは、とても多いです。
この記事では、2026年11月6日に開催した勉強会「母性 厳選問題」の内容をもとに、母性看護の国試対策を、初級・中級・上級の3段階で整理しました。答えを覚えるだけでなく、「なぜこの問題なのか」まで一緒に考えていきましょう。
かず学長





SECTION 01|時間軸で整理する
母性看護の国試対策は「時間軸」で整理するのが近道
母性は「妊娠前→妊娠期→分娩期→産褥期→新生児期」の流れで考える
母性看護の問題は、まず「今、どの時期の話か」を読み解くことから始まります。時期が分かれば、その時期に起こる変化と、看護の方向性が見えてくるからです。


| 時期 | 考えること |
|---|---|
| 妊娠前 | 妊娠を支える治療(不妊治療)と、感染予防 |
| 妊娠期 | 週数・体重・本人の思いを確認し、正常からの逸脱を探す |
| 分娩期 | 今は何期か? 進行に合った援助を選ぶ |
| 産褥期 | 子宮の回復(復古)と、授乳を支える |
| 新生児期 | 生理的な変化と、異常を見分ける |
判断の順番は「時期 → 変化の理由 → 観察 → 援助」
問題を解くときは、この4ステップで考えると迷いにくくなります。時期を決めて、なぜその変化が起こるのかを考え、何を観察するかを選び、最後にどんな援助かを決めます。



📝 この記事の読み方
- まず「時期」にラベルを貼る(妊娠期? 分娩期? 産褥期?)
- 答えだけでなく「なぜその選択肢が×なのか」まで確認する
- 分からない用語は、レビューブックを開いて調べる習慣をつける
SECTION 02|初級編
【初級編】母乳・不妊治療・母子感染の国試ポイント
母乳は「ビタミンKが少ない」ことと、新生児の出血のつながり
母乳の問題では、初乳には免疫成分(分泌型IgAなど)が多く含まれることと、母乳はビタミンKが少ないことをセットで押さえます。
ビタミンKは、血液を固める「凝固因子」の働きを助けます。不足すると出血しやすくなるため、新生児はビタミンK欠乏による出血のリスクがあります。そこで、児へのビタミンK製剤(Kシロップなど)の投与で予防するという流れにつながります。











⚠️ 間違えやすいポイント
ビタミンKを多く含む食品(納豆など)を母親が食べても、赤ちゃんへのビタミンK製剤の予防投与の代わりにはなりません。「予防は児への投与」と覚えておきましょう。
不妊治療は「卵子を体の外に出すか」で見分ける
不妊治療は、一般不妊治療と生殖補助医療(ART)の2つに分けて整理します。区別のコツは、「卵子を体の外に取り出すか?」です。
| 分類 | 主な方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 一般不妊治療 | タイミング法・人工授精 | 卵子は体の中にある。人工授精は、精子を子宮内へ注入する |
| 生殖補助医療(ART) | 体外受精・顕微授精・胚移植 | 卵子を体の外に取り出して受精させる |





母子感染は「3つの経路」で覚える
母子感染は、病原体ごとに主な感染経路が違います。「胎盤」「産道」「母乳」の3つに分けて整理しましょう。
| 経路 | 主な病原体 | ポイント |
|---|---|---|
| 胎盤を介する(経胎盤) | トキソプラズマ/パルボウイルスB19(りんご病) | トキソプラズマは原虫。B19は胎児貧血・胎児水腫(むくみ)に注意 |
| 産道を介する(経産道) | B群溶血性レンサ球菌(GBS) | 新生児の敗血症・髄膜炎の原因になる |
| 母乳を介する | HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス) | 主に母乳を介して感染する |








💡 練習問題 1
新生児のビタミンK欠乏による出血を予防するために、適切なのはどれか。
①母親が納豆を多く食べる
②児にビタミンK製剤を投与する
③母乳を与えない
④日光浴をさせる
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
SECTION 03|中級編
【中級編】分娩・産褥・乳腺炎の国試対策|時期の読み解きがカギ
分娩は「今、第何期か」を読み解く
分娩期の問題は、今、分娩のどの時期なのかを読み解くことが第一歩です。
| 分娩期 | 範囲 | ポイント |
|---|---|---|
| 第1期 | 分娩開始 → 子宮口全開大(約10cm) | 呼吸法・楽な体位・休息を支える。足浴などで安楽を図る |
| 第2期 | 子宮口全開大 → 児の娩出 | 児が生まれる時期 |
| 第3期 | 児の娩出 → 胎盤の娩出 | 胎盤が出る時期 |
| 第4期 | 胎盤娩出後のおよそ2時間 | 出血などの観察を続ける |


たとえば、子宮口が4cmのときは第1期です。いきみを強く促す段階ではなく、呼吸・楽な体位・休息を支えます。









産褥期は「戻る変化」と「始まる変化」に分ける
産褥期の変化は、2つに分けて整理します。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 退行性変化 | 子宮復古、悪露の減少など、産後の体を元に戻す変化 |
| 進行性変化 | 乳汁の分泌など、産後に新しく始まる変化 |
悪露は、赤色 → 褐色 → 黄色 → 白色と色が変わり、量はだんだん減っていきます。


ここで大事なのが、授乳との関係です。赤ちゃんが乳房を吸う(吸啜刺激)と、オキシトシンが分泌されて、射乳と子宮収縮が起こります。つまり、授乳は子宮復古を促します。
📝 産褥期の国試ポイント
- 退行性変化=子宮復古・悪露、進行性変化=乳汁分泌
- プロラクチンは乳汁をつくる(下垂体前葉)
- オキシトシンは射乳と子宮収縮(下垂体後葉から分泌)
- 子宮が軟らかく、出血が増えているときは、すぐ報告・対応



乳腺炎は「なぜ起きたか」で対応が変わる
乳腺炎には、うっ滞性乳腺炎と感染性乳腺炎があります。名前に「炎」がつくので、つい「細菌感染」と思いがちですが、うっ滞性は細菌が原因ではありません。
| 比較 | うっ滞性乳腺炎 | 感染性乳腺炎 |
|---|---|---|
| 原因 | 乳管が詰まり、乳汁がたまる | 細菌感染(乳頭の傷などから) |
| 細菌 | 原因ではない | 原因である |
| ケア | 児の必要に応じた授乳を続ける。冷罨法で痛みや腫れを和らげる | 発熱が続く・悪化するときは、医療者へ相談する |





⚠️ やりすぎ注意
「全部出し切るため」の過剰な搾乳や、強いマッサージは避けましょう。適切な授乳と冷罨法が基本です。
💡 練習問題 2
うっ滞性乳腺炎について、正しいのはどれか。
①乳汁の排出を促すため、児の必要に応じた授乳を続ける
②細菌感染が原因なので、すぐに授乳を中止する
③分娩直後に発症することが多い
④強いマッサージで乳房を空にする
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
SECTION 04|上級編
【上級編】妊娠期の逸脱と新生児ケアの国試ポイント|状況設定問題
ここからは、1問2点の状況設定問題です。落とすともったいない分野なので、ていねいに見ていきましょう。
妊娠期は「正常からの逸脱」を探す
事例:身長160cm、妊娠前の体重60kg(BMI約23.4)。妊娠17週で66kg(約6kg増)、4週間で4kg増えている。血圧は正常、尿蛋白とむくみはなし。胎動はまだ感じない。
BMIが18.5以上25未満の人の妊娠中の体重増加の目安は10〜13kgです。それに対して、17週で約6kg増は増え方が早いと判断できます。一方、胎動を感じ始めるのは16〜20週ごろなので、17週で感じなくても、それだけでは異常とはしません。











📝 妊娠期の国試ポイント
- 体重増加は、妊娠前の体格(BMI)ごとに目安がある
- 胎動を感じ始めるのは16〜20週ごろ
- 週数ごとの出来事(胎盤の完成・つわりの軽減・肺サーファクタントなど)は、必ず覚える
新生児の体重減少は「計算して」評価する
生まれた赤ちゃんは、数日間、体重が自然に減ります。これが生理的体重減少です。計算式は次のとおりです。
💡 体重減少率の計算式
(出生体重 − 現在の体重)÷ 出生体重 × 100
例:出生体重2,850g → 生後2日で2,680g の場合
減少は 2,850 − 2,680 = 170g、減少率は 170 ÷ 2,850 × 100 = 約6.0%
生理的体重減少は、出生体重の5〜10%程度が目安です(教科書によって「3〜10%」と書かれていることもあるので、自分の教科書も確認してください)。今回の例は約6.0%なので、範囲内です。日齢・哺乳・尿・活気とあわせて判断します。








⚠️ 新生児の少量の性器出血
少量の性器出血は、母体のホルモン低下による「新生児月経」のことがあります。ただし、多量・持続する出血は評価が必要です。
新生児黄疸の光線療法は「なぜ」アイマスクをするのか
新生児は、ビリルビンを処理する肝機能がまだ未熟なため、黄疸が出やすくなります。光線療法は、皮膚に光を当てて、ビリルビンの排泄を助ける治療です。
皮膚をできるだけ露出して光を当てるとともに、眼を光から守るためにアイマスクをつけます。治療中は、眼の保護・体温・哺乳・尿・ビリルビン値を観察します。





⚠️ 授乳を一律に中止しない
光線療法中でも、授乳を一律に中止するわけではありません。機器と施設の手順に従いましょう。
💡 練習問題 3
出生体重2,900gの新生児が、生後3日で2,700gになった。体重減少率に最も近いのはどれか。
①約3%
②約7%
③約12%
④約20%
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
💡 練習問題 4
新生児黄疸で光線療法を受けている児への援助として、適切なのはどれか。
①眼の保護のため、アイマスクを着ける
②光を避けるため、全身を衣服で覆う
③授乳は必ず中止する
④観察は、ビリルビン値だけでよい
まずは自分の答えを決めてから、下のボタンをタップして解答・解説を確認しましょう。
SECTION 05|まとめ
まとめ|母性看護は「時期 → 理由 → 観察 → 援助」で解ける
今日のポイント総復習
| テーマ | キーワード |
|---|---|
| 母乳・ビタミンK | 初乳=IgA/母乳はビタミンKが少ない/児へのビタミンK製剤 |
| 不妊治療 | 一般:タイミング法・人工授精/ART:体外受精・顕微授精・胚移植 |
| 母子感染 | 経胎盤:トキソプラズマ・B19/経産道:GBS/母乳:HTLV-1 |
| 妊娠期 | BMIごとの体重増加の目安/胎動は16〜20週ごろ/逸脱を探す |
| 分娩 | 第1期=子宮口全開大まで/排臨と発露の違い |
| 産褥 | 退行性変化・進行性変化/悪露の色/授乳→オキシトシン→子宮収縮 |
| 乳腺炎 | うっ滞性(細菌ではない)と感染性の区別/過剰搾乳は避ける |
| 新生児 | 生理的体重減少の計算/光線療法とアイマスク |









✅ 今日からできること
①まず、問題文の「時期」にラベルを貼る ②×の選択肢の理由まで確認する ③苦手なテーマを1つ選んで、レビューブックで調べる。この3つから始めてみましょう。
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